えちぜん鉄道の2020年度上期実績と19年度比

 えちぜん鉄道の2020年度上期(4~9月)の乗客数は約117万人で、19年度同期より約75万人減ったことが分かった。新型コロナウイルスの影響で約39%のマイナスとなった。春先に外出、旅行控えと一斉休校が重なり、定期外と通学定期の利用が大幅に落ち込んだ。運賃収入減に伴う赤字は、沿線市町による財政支援を受けても約1億1千万円で、02年の会社設立以来最大となった。

 上期の乗客数は19年度同期を74万7004人下回る116万5766人。内訳は、観光・イベント目的で定期外の「非日常型」が41万3675人減で29万8019人。通学・通勤定期と回数券の「日常生活型」は33万3329人減の86万7747人だった。うち通学定期は約25万人減、通勤定期は約2万人減だった。

 月別では、緊急事態宣言が発令された春先の落ち込みが大きかった。19年度上期の乗客数は毎月30万人を超えたのに対し、20年度は4月が約13万人で約18万人減(約57%減)、5月も同じく約13万人で約20万人減(約62%減)だった。4月末から5月上旬の大型連休は約7割減ったという。

 6月以降は、学校の再開や国の観光支援事業「Go To トラベル」などで持ち直しの動きがみられ、9月は約8万人減(約25%減)まで回復している。

 だが経営環境は厳しさを増している。運賃収入減をカバーしようと、社員を雇用したまま休ませる「一時帰休」を実施し、休業手当に国の雇用調整助成金を充当。このほか駅舎や電車への広告掲出の売り込み強化、経費削減などに取り組んでいるが、企業努力だけで補える額ではないという。

 下期も、新型コロナの感染「第3波」の様相が強まれば、乗客数の回復傾向に水が差される恐れがある。このため国の地方創生臨時交付金を活用した支援を受け、経営基盤を強化することになっている。豊北景一社長は「かつてない難局だが、沿線住民の生活の足を守るのが私たち公共交通機関の使命。感染防止対策を徹底し、運行を維持していきたい」と話している。