老朽化し使用できなくなった校庭のシーソー。福井市立小学校では18年間で80基の遊具が撤去された=福井県福井市の足羽小学校

 福井市立小学校の校庭にある遊具が、少しずつ姿を消している。同市を含む全国で公園遊具による事故が相次ぎ、国が安全対策の指針を示した2002年以降、市教委が老朽化の著しい校庭の遊具を撤去し、代わりの遊具を新調していないからだ。使用可能な遊具は02年からの18年で3分の2に減り、市教委は「児童の安全を最優先するため、新設より撤去を先に進めている」と説明する。

 秋晴れの昼休み。足羽小の子どもたちが校庭に駆けだしてきた。サッカーや鬼ごっこで走り回り、遊具はうんていやつり輪が人気だ。小杉真一郎校長は「昼休みの校庭は、子どもたちが学級学年を超えて自由に楽しめる場所。遊具は少し難しいことに挑戦する気持ちや、教え合い、助け合いによる協調性を養える教育的効果がある」と話す。

 その校庭には、さびだらけのシーソーがビニールひもで固定されていた。小杉校長は「できれば新調してほしいけれど、遊具を要望して別の予算が削られるのは困るし…」とこぼす。

 市学校教育課によると、市内公立小の校庭の遊具は、国が遊具の安全対策の指針を示した02年以降、安全性の確認を念入りに行うようになった。専門の業者が4年に1度は点検し、さびや腐食が進んで修繕が不可能と診断されれば撤去を進めている。

 このため02年に379基あった遊具は20年には299基にまで減り、そのうち44基は、足羽小のシーソーのように使用できない状態となっている。

 一方で、02年以降に新築した小学校には遊具を新調している。15年に移転新築した中藤小には、ジャングルジムや登り棒、平行棒など6基を設けた。遊具は必ず置かなければならないとの規定はないが「遊具は運動機能を向上する教育的効果もある」(学校教育課)からだ。

 氣谷達郎課長は「遊具を全く新設しないという方針ではないが、限られた予算で撤去を優先的に進めた結果として新しい遊具を設けられていない。児童の安全を最優先に、今ある遊具を修繕して大切に使い続ける方向で進めたい」と話している。

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