人形埴輪の頭(上)と胴(中央)、二つの腕=11月18日、福井県若狭町脇袋の西塚古墳

 福井県若狭町脇袋の国指定史跡「西塚古墳」で進められている発掘調査で、北陸地方で最古とみられる5世紀後半(古墳時代中期)の人形埴輪(ひとがたはにわ)の頭や胴体の一部など4点が出土した。町担当者は「大和政権の中心だった畿内の埴輪は5世紀半ばに作られたものが最も多く、すぐに技術が伝わったことを示している。政権との関わりの深さが改めて浮き彫りとなった」と話している。

 若狭町歴史文化課が11月18日、報道向け説明会を開いた。

 人形埴輪片は後円の堀跡付近から出土し、腕の付け根や首が確認できる胴は縦13センチ、横12センチ。頭部分のかけらは横10センチ、縦6センチで、人形埴輪にみられる特徴の小さな穴も確認した。筒状の腕も二つ見つかり、ともに長さ約12センチ、直径約5センチだった。同一の埴輪の一部である可能性は低いが、埴輪全体の高さは推定50~60センチという。

 馬の足やくらと見られる埴輪片も見つかり、同じ場所から出土した円筒埴輪の特徴から、同じく古墳時代中期に作られたものと特定した。

 近藤匠学芸員(23)によると、古墳時代中期の古墳は北陸地方に34基あり、これまで人形埴輪は見つかっていなかった。一方、動物とみられる埴輪片は福井県内でも永平寺町の泰遠寺山古墳で同時代以前のものが見つかっており、今回の馬形は2例目という。

 近藤学芸員は「若狭地方は製塩が盛んで、古くから大和政権に献上していたと思われる」とし、献上の役割を担っていた「膳臣(かしわでのおみ)」やその一族が西塚古墳など若狭町などを流れる北川流域の古墳に眠っているという。2020年度から3カ年で調査しており「この地域は対外交流もしやすく、政権にとって重要な場所。西塚古墳のさらなる価値を見いだしたい」としている。

 一般向けの現地説明会は11月22日午前10~同11時に開かれる。無料。問い合わせは若狭町歴史文化課=電話0770(45)2270。

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