10月のとある日の昼過ぎ、突然、高校生4人が東尋坊(福井県坂井市)にある茶屋「心に響く おろしもち」店に現れ、店内にいた自殺防止に取り組んでいるスタッフに対し、高校生のうちの1人がこう切り出しました。

「この子(4人のうちの1人)は家庭内で両親から暴力を振るわれていて、東尋坊で飛び込み自殺をするか電車に飛び込んで自殺したいとSNSで訴えている。今日まで相談に乗ってきたがどうしても解決しないので相談に来ました…」

 さらに話を聞くと、親から「おまえは太っているからモテない」と言われ、食事を与えられないなどの仕打ちも受けていました。小遣い銭は3000円ぐらいで毎日の食費には足りないと言ってました。

 悩みを解消するため、両親に東尋坊まで来てもらい話し合ってみることにしました。しかし、両親ははなからけんか腰でした。

「これは家庭内の問題だ! お前達に家庭内のことを言う必要はない! 口出しするな…!」と机を叩いて威嚇してきました。

 すごい剣幕ですごんできましたが、高校生の仲間たちはひるみませんでした。机を叩き返して「この子に信頼される親になりなさい…!」と一喝したのです。両親は怯み、我に返ったのか無言で引き返して帰って行きました。

 この仲間たちは、「もし、今回のことで友達が家に帰れなくなったら僕たちの家で友達を保護します…」と言って慰めていました。

 私たちは自殺企図者を立ち直らせるために、公的機関を紹介したり、話を聞いてあげるだけでなく、自殺しようとまで思うに至らせた悩みを一緒に解決することを信条にしています。そうやって、東尋坊に訪れた何人もの自殺企図者を立ち直らせてきました。

 自殺するまで思い詰めた人をいかに救うか。私たちが実践してきたやり方を、友達の親に立ち向かった仲間たちは、高校生にして実践して見せてくれたのです。彼らの行動は誰かに教えられて動いたものではなく、体で感じている感情をそのまま何者にも恐れず体当たりで行動したんだと思います。感激した私たちは、この勇敢で深い友情のある3人の生徒に対して、各高校へ赴いて先生たちが同席する前で感謝状を贈りました。彼らの未来に栄光あれと祈りたい。

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 福井県の東尋坊で自殺を図ろうとする人たちを少しでも救おうと活動するNPO法人「心に響く文集・編集局」によるコラムです。

 相談窓口は電話=0776817835

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