福井県のハッピーマリッジ応援事業

 新型コロナウイルスの影響のせいか、福井県内の婚姻数が減少している。感染が広がった3月から7月末までの件数は約1100件で、前年同期比で約3割減。結婚相談所の一時閉所や婚活イベントの減少に伴い、新たな出会いの場が少なくなっているのが要因とみられる。ブライダル業界への打撃も深刻で、県は結婚機運醸成へ知恵を絞っている。

 県内の2019年の婚姻数は前年比46組増の3320組。5月の改元に合わせて入籍する令和婚ブームに加え、出会いを橋渡しする「地域の縁結びさん」による相談の成果が表れ、6年ぶりに増加に転じた。

 しかし、コロナ禍で状況は一変。県によると、県内27カ所の結婚相談所は4~5月が閉所となったこともあり、9月末時点の相談受理件数は前年同期比で3割減。本年度、県内で予定されていた婚活イベントも相次ぎ中止となり、参加者は前年同期比で9割減っているという。

 コロナ禍は結婚関連業者にも影を落としている。日本ブライダル文化振興協会は6月末に調査を行い、3~9月に挙式を予定していたカップルのうち約17万組が延期または中止すると推計した。年間挙式数の半数に当たり、業界の損失は6千億円に達するとみる。

 「親戚や友人から『こんな時期に式をするの』と言われ、キャンセルするカップルが多い」と県内の結婚式場の担当者。この式場では、出席者の健康状態を問診票や検温で確認するなど感染対策を徹底しているが、担当者は「大人数の会食というイメージで敬遠されている」と頭を抱える。

 「今の状況が続けば福井の式場はほとんど閉鎖する」―。9月16日の県議会一般質問で野田哲生議員は、ある式場から届いたというメールを紹介。「各施設はしっかり感染対策を取っている。過度に恐れず、みんなでお祝いしようという意識醸成が必要」と訴えた。

 結婚機運醸成と関連業者支援の両立を狙い、県は9月補正予算に「ハッピーマリッジ応援事業」として1億8千万円を計上。本年度入籍するカップルにジュエリーやエステなど5万円相当のカタログギフトを贈るほか、約10組限定でウエディング動画や打ち上げ花火のイベントをプレゼントする。

 また、県と全17市町でつくる「ふくい結婚応援協議会」は11月22日に福井市内に「ふくい婚活サポートセンター(愛称・ふく恋)」を開設し、人工知能(AI)を活用したマッチングアプリも運用開始する。県県民活躍課は「出会いがないという結婚希望者の婚活を応援していきたい」としている。