【ドクター相談室】口の中の上あごがかゆい、治療法は

 20年前ほどから、口の中の上あごのかゆみに悩んでいます。前歯に近い固い部分と、奥の軟らかい部分の中間にある粘膜がかゆくなります。夜間にかゆみが激しくなり、目が覚めてしまうこともあります。爪でかくのは不衛生な気がして避けていますが、口内炎用の薬を塗ってもあまり効果がありません。治るのでしょうか。(40代男性、福井市)

 【お答えします】清水良憲・県済生会病院耳鼻咽喉科副部長

 ■炎症の原因、まず確認を

 人間の口というものは、食事や液体を飲みこむための入り口であるとともに、言葉を話す、呼吸といった機能を担う非常に重要な部位です。口は外界からの最初の入り口となるので、食事や飲み物、空気とは別に、外界のいろいろな物質が触れやすく、不潔になりやすい部位です。

 口の中の病気は複数ありますが、虫歯や歯周病といった歯科領域の病変、口内炎といったものが一般的になります。口内炎は傷やウイルス感染による風邪をきっかけに出現する粘膜の炎症で、ヒリヒリと痛み、食事や刺激物がしみることがあります。多くは特別な治療は要せず、自然に改善します。また、粘膜そのものにカビ(真菌)が原因で炎症を起こすことがあります。カビの炎症は多くは高齢の方や、基礎疾患で免疫力、口の中をきれいに保つ能力が低下した方に生じます。

 ご質問の口内の激しいかゆみについてですが、まずは一般的なカビを含めた口内炎がないか確認する必要があります。また、ご質問の方は、喫煙者ということで、病気のうちでもっとも区別しなければならないのは早期の口腔(こうくう)内のがんということになります。

 一見異常がなくても、初期のがんの場合、内視鏡で特殊な光線をあてることで正常粘膜と区別して早期がんを発見できることがあります。ただし、これは極めて特殊なケースで、多くの方の口の中の痛みやかゆみは見た目では異常がないこともよくあります。

 ■アレルギーの可能性も

 ご質問の方はホコリが原因のアレルギー性鼻炎をお持ちの可能性が高いので、アレルギー症状で口の中がかゆくなる可能性があります。また、スギを含めた花粉症をお持ちの方は、花粉によく似た特性をもつ果物、野菜を食べることで口の中が腫れてかゆみが出現する口腔アレルギー症候群という病気をお持ちのこともあります。

 これらの場合は採血を含めてアレルギーの評価を行い、アレルギーを抑える治療で症状が改善できる可能性があると思います。いずれにせよ、症状でお悩みであればお近くの耳鼻咽喉科でご相談することをおすすめいたします。