意見を寄せた父親の高校生の娘が1日に学校に持って行く教科書など。リュックに入れると肩が痛くなるという=京都府京都市内

 「子どもが学校に持っていく教科書などの荷物が重く体の負担が心配です」。こんな意見が高校生と小学生の子がいる京都府京都市内の父親(46)から京都新聞社(本社京都市)の双方向型報道「読者に応える」に寄せられた。子どもの荷物の重さについては文部科学省も2年前に負担軽減を各学校に促しているが、教科書は家庭学習で必要だとの考えも根強く、改善が進まない実情もあるようだ。

 父親によると、小学5年生の息子や高校1年の娘は毎日6、7時間分の教科書をランドセルやリュックに入れて登校する。さらに体操服や弁当、水筒なども加わり、娘は「肩が痛くなることがよくある」と話しているという。

 2人とも教科書を学校に置いて帰る「置き勉」を望んでいるといい、父親は「教科書を全て持ち帰っても自宅で使わなければただ運んでいるだけになる。必要な分のみを持ち帰るようにすればいいのではないか」と訴える。

 児童生徒の教科書や学用品などの携行品に関しては文部科学省が2018年9月に身体の健やかな発達に影響が生じかねない懸念があると指摘し、必要に応じて適切な配慮を講じるよう全国の教育委員会に通知した。京都市教委は「通知を受け、各校で工夫しながら対応している」とする。

 ある市立小の校長は「国語や算数の教科書など毎日家庭学習で使うものは持ち帰り、地図帳や副読本などは置いて帰って良いことにしている」と話す。ただ「予習や復習で必要」「教室に収納スペースがない」といった理由から「進んで教科書を置いておくようには言っていない」とする小学校もあり、学校や学級によって取り組みの程度には差があるようだ。

 一方、高校は置き勉を勧める学校は小学校と比べて少ないようだ。背景には「各教科で宿題を出すので教科書は持って帰るべきだ」(市立高副校長)との根強い考えがある。また「荷物を保管するにはロッカーが必要だが、設置場所がない」(市内の府立高副校長)と物理的な理由もあるほか、校内での紛失や盗難の発生を心配する声も聞かれる。

 さらにロッカーがあっても「学習した内容はその日に復習してもらいたい」と置き勉は推奨しない府立高もある。私立の場合はどうか。京都女子高(東山区)は教室に施錠ができるロッカーを設置しているが「宿題のために教科書は持って帰る生徒が多い」という。

 学校の安全に詳しい名古屋大学の内田良准教授(教育社会学)は「学校の荷物は重くて疲れると事故の元になるし、中高生らが自転車のかごに乗せればハンドルを取られるので極力少ない方がいい」とする。その上で「家庭学習で教科書が必要だというなら宿題の出し方を教員が考え直すことも求められる。ただ教科書を学校に置いておき紛失すれば管理責任が問われるので学校側は抵抗感がある。そのため置き勉をするなら保護者の理解を得ることも大切だ」と指摘した。

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