2012年に愛知県で結成された男女2人ずつの4人組バンドによる2ndフルアルバム。若手にして、中堅バンドのような落ち着きも感じる。

 本編の全13曲、美しいストリングスから始まるポップロックの『sabotage』は「愛されるより愛したい」という想いに溢れ、“ララララララ”という楽し気なコーラスと管楽器によるスリリングな演奏が交差する『Mela!』は、勇気を出して告白する男子のドキドキとワクワクが互い違いに伝わって面白い。4人全員が作詞・作曲・編曲に関わっているからか、楽曲が多彩でありつつ、息の合った演奏で全体のまとまりもある。

 また、ギター&ボーカルをつとめる長屋晴子の歌の上手さも特徴的だ。しんみり系のバラード『幸せ』では、前半はaiko風につぶやきつつ、サビではアンジェラ・アキのような深い歌唱で愛しさを表したり、『冬の朝』の終盤でもSuperflyのように壮大に歌い上げたりする。ポップス中心の曲調や、芯のある女性ボーカルから、今後、いきものがかりのように大化けする可能性を感じた。

 “夏を生きた”盤では、過ぎゆく夏や青春に「逞しくあれ」と願った新曲『夏を生きる』や、コロナ自粛明けで“やっと届けられる!”想いに満ちたLIVE音源、そして自粛期間中に4人がボイスレターを回して楽曲制作する過程を記録したFM番組の音源などを収録。まるで文化祭の準備のように、4人がやりとりする様子は作品中のまばゆい景色をよりリアルにする。本作のエネルギーに刺激されれば、何気ない日常をより新鮮な気分で過ごせるはず。

(ソニー・初回生産限定夏を生きた盤 2CD 3545円+税)=臼井孝

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