ブルペンで練習する高橋康二。福井球団での2年間で急成長を遂げた=福井市の福井フェニックススタジアム

 野球の独立リーグ、BCリーグ福井ワイルドラプターズの右腕高橋康二(たかはし・こうじ)(25)=福井工業大学出身=が福井球団での2シーズンで進化を遂げた。フォームを改善したことで球の最速は10キロアップの154キロに伸び、クローザーとして今季好調のチームを支えた。日本野球機構(NPB)入りへ、ドラフト会議(10月26日)を待つ。

 ブルペンで投げる姿がひときわ目立つ。191センチ、87キロの長身から投げ込む直球を武器に今季リーグ2位の10セーブを挙げ、9月上旬からは先発ローテーションにも加わった。「力が入った。納得できていない」。さらに一皮むけようともがく。

 苦難の連続だった。地元滋賀県の水口高校時代はチームを44年ぶりの秋季近畿地区大会に導いたが、引退後に受けた肘の手術が不調を生む。痛みが取れず、福井工業大学ではリーグ戦で一度もマウンドに立てなかった。BCリーグの滋賀では2年間で48試合に登板し未勝利。フォームは崩れ、高校で最速144キロあった直球は130キロ台後半に落ちた。「私生活も乱れた。どん底だった」と振り返る。

 2018年7月まで福井球団にいた元プロ野球・オリックス投手の岩本輝(あきら)さん(28)の球に衝撃を受け、「一からやり直したい」と移籍。元中日投手で当時コーチだった福沢卓宏監督(39)とエース浜田俊之(28)に教わり、右足に重心を残すフォームに改善。右腕の位置や胸を開くタイミングも見直し、1年目に球速が150キロを超えた。2年目にさらに伸び、カットボールの切れ味も「もう一つの武器」と言えるほどに増した。

 「全然だめだった僕のために知識を授けてくれた」と2人の師に感謝する。野球に取り組む姿勢も変わったという。シーズン中はNPBのスカウトがたびたび球場を訪れ、複数の球団から調査書が届いた。「全てを今年に懸けている」と運命の日を待つ。

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