石川県の谷本正憲知事(右)との懇談であいさつする杉本達治福井県知事=10月23日、石川県金沢市の石川県政記念しいのき迎賓館

 福井県の杉本達治知事と石川県の谷本正憲知事は10月23日、石川県金沢市内で懇談した。北陸新幹線金沢―敦賀間の一部工事が逼迫(ひっぱく)している問題について、杉本知事は予定通りの2023年春開業に向け、沿線府県とスクラムを組んで政府、与党に要請を強化していくことを提案。谷本知事が応じ、結束を確認した。敦賀開業時にJR西日本から経営分離される並行在来線(現北陸線)へのさらなる財政支援を国に求めていくことも一致した。

 谷本知事は、金沢-敦賀間の開業3年前倒しを決めた15年の政府・与党の申し合わせを踏まえ「(与党)幹事長と官房長官の約束で大変重い。整備新幹線の歴史の中で申し合わせがほごにされたことは前例がない。その重さを受け止め、国には最大限の努力をしてもらいたい」と強調した。

 杉本知事も「日程に沿って開業するよう活動を強化する必要がある」と力説した。その上で、敦賀以西に関して「もし開業が遅れたとしても、そこから先は別の話。予定通りに環境アセスメントや財源確保をしてもらいたい。一日も早い大阪までの全線開通は沿線全体の悲願なので、強くお願いしていく」と述べた。

 並行在来線についても協議した。杉本知事は「福井県区間の輸送密度(1キロ当たりの1日平均乗客数)は約5100人で、石川県(金沢以東で約1万5千人)と天と地の差がある」と指摘した。初期投資に対する地方交付税措置のかさ上げや開業後の経費に対する財政支援など、両県が連携し国やJRに協力を求めていくことを確認した。

 相互乗り入れ区間は金沢―福井間とする方向で調整していくことで一致した。利用しやすいダイヤ編成や乗り継ぎ割引、両県の観光地を含む周遊切符の販売、イベントに合わせた臨時列車の共同運行などで、県境をまたぐ鉄道利用者を拡大していく。

 このほか、白山周辺を巡る観光ガイドブック発行や両県のアンテナショップが連携し首都圏でPRを強化していくことも決めた。両県知事の懇談会は今回で21回目。

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