新型コロナとインフルエンザの同時流行に備え、PCR検査の機器を導入した診療所=福井県内

 新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの同時流行に備え、11月から福井県内246の医療機関で新型コロナの検査が可能になる。このうち5割は、ドライブスルー方式を採用。陽性かどうかをより正確に判定できるPCR検査機器を独自に導入した診療所もある。県によると、同1日時点では9月末に比べ約10倍となる4240件の検査が可能になる。

 10月22日に福井市の県医師会館で開かれた郡市区等医師会長会議で、協力機関数などが報告された。県医師会によると、246機関のうちドライブスルーは123機関。一般と発熱患者の診察時間をずらし実施するのが42機関で17・1%、屋外(プレハブ・テントなど)は40機関で16・3%、施設内の部屋を分けるのは29機関で11・8%などとなっている。
 
  検査方法は、190機関が30分ほどで判定できる簡易キットによる抗原検査を実施する。このほか、だ液や鼻の奥の粘液を検体とするPCR検査を併用するところもある。県によると11月1日時点で、1日当たり可能な抗原検査は3690件、PCR検査は550件となる。12月末にはPCR検査は948件に増える予定。
 
 判定の精度が高いPCR検査の場合、病院で検体採取し、民間業者に検査を委託するケースが多いが、PCRの機器を独自で購入する医療機関も出てきた。
 
 県内のある診療所は機器を2台導入した。一日14~16件の検査が可能で、最速40分で結果が判明する。この診療所では、簡易キットによる抗原検査と併用。抗原検査は感染時期や症状によっては判定の精度が高いとはいえないため、患者の状況によって検査を使い分けるという。診療所の医師は「機器は地域の公共財として活用していきたい」と話している。
 
 別の診療所は、一般と発熱患者の診察場所や入り口を分け、検体採取に対応することにした。電話ボックスのような囲いに患者が入り、医師は囲いに開けた穴に手を通して、鼻の奥の粘液を採取する。
  
 診療所の経営者は、検査を実施することにした理由について「見えない恐怖と闘うという恐怖があるが、すぐに検査してほしいという患者のニーズもある」と説明。一方で「受診控えで患者が減ってしまうことや医療従事者が感染したときの休業措置などにより、経営がちゃんと続けられるのかという不安も大きい」と複雑な胸中を打ち明けた。

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