体操中国代表コーチを招き、ジュニア選手の練習会を開く予定だった福井県の鯖江市立待体育館

 新型コロナウイルスの影響で来年夏に延期になった東京五輪・パラリンピック。感染収束が見通せない中、事前合宿などで海外選手らを招き、地元住民と交流する「ホストタウン」事業にも暗雲が漂っている。「交流はかなり厳しい」「そもそも選手が来られるのか」-。福井県内で登録している4市1町の関係者は頭を悩ませている。

 「(ホストタウンを)やりたいのはやまやまだが、今の状況では厳しい。コロナが落ち着いて海外へ自由に行き来できるムードがなければ…」。日本体操協会顧問の小竹英雄・県体操協会副会長は苦しい胸の内を明かす。

 鯖江市は体操の中国男女代表やスタッフら約40人の事前合宿を予定していた。中国は2008年北京五輪の団体総合で男女とも金メダルを獲得するなど世界屈指の強豪。5日間の合宿のほか、練習の一般公開や代表コーチを招いたジュニア選手の練習会などを企画していたが、先が見通せない状況だ。

 連絡はこまめに取り続けており、中国側からは「いい方法を考えてみましょう」と前向きな回答があるという。「住民との交流あってこそのホストタウン。五輪後の交流などいろいろな選択肢を探っていきたい」と語った。

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 「現時点で交流はプラスアルファ。五輪に出場する選手の感染防止を万全にしないと」。スロベニアのバスケットボール代表などの事前キャンプを予定していた福井市の担当者は慎重に話す。「ホテルと練習会場を結ぶバスの増便や消毒液購入などが必要。選手が公共機関を使えなければ、福井から東京までバス移動も視野に入れなければ」と困惑。「国が(感染防止の費用を)支援してくれないと困るし、まずは方針を早く示してほしい。準備にも影響が出る」と注文した。

 ホッケーのカナダ男子代表の事前合宿を予定していた越前町の担当者も「PCR検査や専用バスなどで最低100万円はみておかないと」と述べた。

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 県内で唯一、競技終了後に交流を行う予定だった敦賀市の担当者は「選手が来るのか分からない。(交流事業が)できる保証はない」と不安げだ。ポーランド選手約20人を1泊2日で招き、資料館「人道の港敦賀ムゼウム」見学や日本文化体験などを計画している。

 選手らの訪問が可能になれば、来年4月にもプロポーザル方式で実施事業者を募集する予定。「どこまで接触が大丈夫かなど国の指針を見て考えないといけない。交流はなるべく屋外で行うなど、感染防止策を(選考の)条件に追加しなければ」と話す。

 東ティモールのホストタウンに登録した大野市の担当者は「具体的な話は進んでいないし、来てくれるという返事ももらっていない。今はなんとも言えない」としている。

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