JR芦原温泉駅西口に建設される「賑わい施設」の完成予想図

 2023年春の北陸新幹線県内開業に向け、福井県の“北の玄関口”となる福井県あわら市では、JR芦原温泉駅周辺整備が着々と進んでいる。7月には駅西口の立体駐車場の工事が始まり、先月末にはビジネスホテルの誘致が決定した。今後、開業まで2年半で課題となるのが西口駅前広場に整備する施設の利活用だ。持続的なにぎわい創出に向けた市民参加型の仕組みづくりが求められている。

 ■駅周辺エリア
 
 市新幹線まちづくり課によると、駅の東西をつなぐ自由通路は約120メートルで全幅約6メートル。西側にエスカレーター、東西にエレベーターをそれぞれ整備する。通路を西側へ抜けると、目の前には8階建てのビジネスホテル。潤観光開発(富山市)は当初計画より1年前倒しの22年春にオープンさせる予定で、駅前商店街のにぎわいに期待がかかる。新幹線駅舎は22年夏ごろの完成を見込む。
 
 約300台が収容可能な駅西口の立体駐車場は11月から本格工事に入り、来年4月から供用を始める。バスの乗降場や30分無料の駐車場がある西口交通広場は部分的に工事が始まり、22年の完成を目指す。東口交通広場や、駅にアクセスする市道の整備を含めた、20~22年度の総事業費は約49億円となっている。
 
 着実に整備計画が進む一方で、同課の担当者は「加賀トンネルの追加工事や敦賀駅工事の遅れは気になる」と懸念を示す。金沢―敦賀間の建設費のさらなる増額も明らかになり、先行きを見守る。
  
 ■途切れない人波
 
 新幹線開業後、西口駅前広場のランドマークとなるのが「賑(にぎ)わい施設」だ。和心を感じる開かれたイメージの空間を目指す。この施設の役割は大きい。
 
 屋内ホールと屋根付き屋外広場で構成され、1階に「カフェレストラン・物販店舗」や観光案内所、2階に嶺北の主要観光地を紹介する「魅力体感施設」を整備する計画。公募するカフェレストランは県内外の7事業者が応募。11月下旬にプレゼンテーションを行い、12月中旬には出店者が決まる。
 
 市民や有識者でつくる「芦原温泉駅まちづくりデザイン部会」は▽天候に左右されない屋根付きの建物▽道路をまたがずに行けるカフェレストラン―などの案を施設の構想に反映させてきた。
 
 JR芦原温泉駅前の多目的施設「aキューブ」など広くまちづくりに携わってきた笹原修之部会長(44)は「活気ある駅前にするための施設構想は出来上がった。次はにぎわいが途切れない仕組みをつくる」と意気込む。
 
 「これから新幹線開業までにイベントの年間スケジュールを埋めたい」。笹原部会長は、今後はまちづくりを担う各種団体へ働きかけを始め、賑わい施設を「北部丘陵地の果物など、地元の“本物”を提供できるような場所にしたい」と話す。
 
 佐々木康男市長は「市民が参画して、地元特産物のマルシェや軽トラ市場、クラフトマーケットなどを行い、にぎわいが続く駅周辺にしたい」と市民主導での利活用に期待を寄せている。

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