近年、通信販売や動画配信といったインターネット上での定額制の有料サービスが増えている。「家族が死去したとき把握していない契約はどうすればいいのか。契約解除しないまま未払いがかさんでいたら…」という声が、福井新聞の調査報道「ふくい特報班」(通称・ふく特)に届いた。福井県司法書士会に聞いてみると「日頃から家族間での情報共有が一番の対策。いざというときすぐに対処できる」とアドバイスする。ネットだけでなく、隠れた負債や保証人という深刻な“負の遺産”にも注意が必要という。

 新聞購読やケーブルテレビ加入など目に見えるものは把握しやすいが、ネット上の契約を把握するのは難しい。大手のネットサービスの場合、死亡時の解約方法が整っており手続きすれば済む。ただ解約しないままだと、督促通知が来るころには支払額がかさんでいる可能性がある。

 相続手続きなどを行っている県司法書士会の中尾亨会長は、家族が亡くなった場合は「契約を割り出すため、まず郵便物や預金通帳、カード明細をチェックするのが第一歩」とする。銀行口座を凍結すれば引き落としはされないが、ネットサービス会社は死亡を知り得るすべがないため「さかのぼって請求される可能性も予想される」(中尾会長)と指摘する。現時点ではネットサービスで死後の目立ったトラブルは入っていないという。まだサービスを利用する高齢者が少ないためのようだ。

 遺族が知らないまま、後になって請求される恐れがあるのはネットサービスだけではない。例えば借り入れなどの負債が後で発覚する場合。「負債は銀行、クレジット会社など金融機関ごとに信用情報機関があるので、相続が終わる前に確認した方が良い」(同)。

 さらに深刻なのは連帯保証人だったとき。「数年後に負債の肩代わりを求められたケースが実際にあった」(同)という。連帯保証人になっているかどうかを調べるすべがなく、遺産相続した後だと負債を引き受けるしかない。

 中尾会長は「全てを家族に言えないこともあるかもしれないが、話し合っておいた方が安心」としている。

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