【論説】「探究」の授業の一環で、地域活性化に取り組む若狭高(小浜市)の4グループが全国のコンテストで表彰された。地元の事業者や行政、国内外にいる同世代の若者らを巻き込んで課題解決を目指す行動力などが評価された。純粋な思いで研究し解決策を提案する高校生。その思いにこたえて手を貸し、一緒に汗を流す大人たち。同校の探究学習は、若狭地域を元気にしようと世代を超えて連携する素地が根付くきっかけになっている。

 スーパー・サイエンス・ハイスクール(SSH)に指定されている同校では探究学習が活発だ。生徒が1人で、もしくはグループで地域の課題、解決策を自主調査、研究。複数年かけて取り組むケースもある。

 表彰された4グループのうちの一つ、3年生2人は新型コロナウイルス感染拡大で苦しむ飲食店を支援した。今春にテークアウト情報ページをネット上に設け、購入した料理の写真コンテストを企画した。市のテークアウト助成施策との相乗効果で市民や店を元気づけた。

 生食用アカウニの資源回復を目指すのは2年生8人。生息域が重なる天敵ムラサキウニを「塩うに」に加工して駆除する作戦だ。民宿経営者らに塩うに試作品を提案。反応の良さに手応えを感じ、商品化やその先の起業まで見据える。

 小浜市内外海地区で深刻なのが大量に漂着する海洋プラスチックごみの問題だ。2年生4人のチームは国内初のプラスチックごみ回収装置の開発を目指している。地元の箸業者と連携し再利用した商品の開発の可能性を探る。

 同じ海のごみをテーマにした別のチームの2、3年約40人は、海外の高校生とプラスチックの分布と種類の調査方法を開発した。その高校生らとの議論を通じて提言を発信。日本だけで解決できる問題ではないとグローバルに活動する。

 受賞グループ以外の活動にも光を当てたい。▽小浜市まちの駅・旭座の活用▽小浜市を「アートのまち」にして誘客する▽黒板の効率の良い消し方▽一度におにぎりを握った最多人数でギネス世界記録樹立に挑戦する―など硬軟さまざまで楽しそう。先輩から引き継いだデータ、考察を積み重ね、さらに発展させている研究もある。

 探究学習の意義は大きい。人口減少や少子高齢化、観光振興、地域経済の活性化など生徒たちが古里の現状を知り、未来をどう描くか考える契機になる。一方で地域の大人たちも「高校生が頑張っているのに、私たちが頑張らないわけにはいかない」と刺激を受けている。生徒たちには地域の人をどんどん巻き込んでほしい。

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