再開発の解体工事が進むJR福井駅西口の通称「三角地帯」のA街区。地権者らが北陸新幹線の開業時期の行方を注視している=10月9日、福井市中央1丁目

 北陸新幹線金沢-敦賀間の2023年春開業が一部工事の工期逼迫(ひっぱく)で不透明な情勢となり、福井市のJR福井駅西口の3カ所で再開発を進める各地権者らが行方を注視している。いずれも開業時のビル完成を目指しているためだ。仮に福井県内延伸が遅れれば、再開発のスケジュールに余裕が生まれる面もあるが、テナント誘致などへの影響が懸念され、まちづくりの停滞を心配する声も出ている。

 10月1日に解体工事が始まった通称「三角地帯」の福井駅前電車通り北地区A街区再開発。当初は解体から完成までに3年程度を要すると見込まれていた経緯があり、23年春までのスケジュールはタイトな状況だが、地権者らの再開発組合関係者は「工事の実施設計を確定させて、早期完成を目指す姿勢に変わりはない」と冷静に受け止める。

 ただ、A街区に進出が決まっている世界最大のホテルチェーン、米マリオット・インターナショナルによる「コートヤード・バイ・マリオット福井」に関しては、新幹線開業とオープン時期がずれれば集客戦略に影響すると見る向きもある。延伸時期が見えないと、テナント候補となる業者への意向調査も進めづらく、関係者は「不確定な状況が続けば課題になる」との認識を示す。

 「三角地帯」の西端に当たるB街区では、再開発準備組合が事業計画を策定中だ。藤井裕理事長は「計画が若干遅れ気味なのは事実。仮に新幹線が遅れるならば、時間的には余裕が生まれる。だが、土産物店など観光関連の業者にとっては厳しいだろう」と語る。

 「新幹線の時期が不透明になったが、あくまで目標通りの開業を目指して頑張りたい」と話すのは、福井駅前南通り商店街やガレリア元町商店街を対象とする駅前南通り地区市街地再開発の齊藤隆美準備組合理事長。「新型コロナウイルスは建設関係の事業全てに関わる問題」と捉え、影響を慎重に見極めていく考えを示した。

 一方、福井駅前商店街振興組合の加藤幹夫理事長は、中心市街地への投資に水を差さないよう「予定通りに一日も早く開業してほしい」と切実な思いを口にする。新幹線延伸とともに再開発も遅れる事態になれば、駅西口の広いエリアで工事が続くことになり、「ホテルや商業などにぎわいにつながる施設だけでも、部分的な早期のオープンを目指してほしい」と訴えている。