北海道神恵内村役場で臨時村議会後、記者会見する高橋昌幸村長=10月8日午後

 原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定を巡り、北海道神恵内村の高橋昌幸村長は10月8日午後、文献調査を事実上受け入れる意向を記者会見で表明した。村議会が商工会の調査受け入れを求める請願を賛成多数で採択したのを受け「結果を尊重する」と述べた。村から約40キロ南の寿都町の片岡春雄町長も8日午後、記者会見で応募を発表する。

⇒【速報】寿都町も応募表明

 選定手続きの第1段階に当たる文献調査に進む動きは、2007年に応募を取り下げた高知県東洋町以来で、実際の調査作業に入れば全国初。自治体の応募のほか、国から申し入れるケースもあり、関係者によると、9日に経済産業省の担当者が神恵内村を訪れ要請。村は受諾する見通しだ。

 鈴木直道道知事や周辺漁協などは反発しており、あつれきが残ったまま手続きが進みそうだ。8日未明には片岡町長宅でぼやが発生、道警が放火未遂事件とみて捜査している。

 国が17年に公表した処分地の適否を示す科学的特性マップは、寿都町の大部分を最適と評価。神恵内村はほぼ全域が不適だが一部に適地があり、国は調査の対象になるとの見方を示している。

 文献調査は処分場選定に至る三つの事前調査の第1段階で、調査に応じた市町村は約2年間で最大20億円の交付金が支給される。両町村は主要産業の漁業の衰退や人口減少などで財政が悪化しており、立て直しのきっかけとしたい考えだ。

 寿都町は8月13日に片岡町長が応募検討を表明、神恵内村は9月8日に商工会が請願を村議会に提出していた。国や処分事業を担う原子力発電環境整備機構(NUMO)の職員を呼んで住民説明会などが開かれ、寿都町では反対意見が相次いだ一方、北海道電力泊原発に比較的近い神恵内村では賛成が目立っていた。

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