例年よりテントが多く張られた福井県坂井市の三国サンセットビーチ=7月19日

 2020年夏の福井県内の海水浴客入り込み数は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で前年より9割近く減少し、10万人を切った。海水浴場63カ所のうち45カ所が閉鎖したため。開設した海水浴場は平均で3割減となった。閉鎖したところは入り込み数「ゼロ」として計算しているが、実際には県外客らが訪れていた。

 県観光誘客課が市町を通じて調査した。開設した海水浴場は福井市3、坂井市2、越前町9、若狭町4の計18カ所。感染拡大防止のため越前町と若狭町では一部閉鎖し、敦賀、小浜の両市と南越前、美浜、おおい、高浜の各町では全て閉鎖した。

 7月1日~8月20日の海水浴客入り込み数は約9万4200人。前年の約69万8900人から86・5%減った。2018年は83万1500人、17年は80万9700人だった。

 福井市は前年比38%減の4万2700人。減少の理由について、市の担当者は▽梅雨明けが遅かった▽小中学校の夏休み期間が短かった▽県境をまたいだ往来の自粛傾向がみられた―としている。

 坂井市の三国サンセットビーチは、浜茶屋の営業が昨年の8軒から1軒に減少。空いた砂浜には、代わりに簡易テントが例年より多く張られた。親子で訪れた会社員男性(46)=福井市=は「密になって感染するリスクを避けるためテントを持参した」という。

 若狭町によると、町内の海水浴場は例年、民宿の宿泊客による利用が大半だが、今年は宿泊客が少なかったこともあり、関西・中京圏からの日帰り客が目立ったという。

 一方、8カ所全てを閉じた高浜町によると、閉鎖した海水浴場でも主に京阪神からの客が来ていて、路上駐車も目立ったという。統計上の入り込み数はゼロとしたが、町は「海岸来場者」として約5千人をカウントした。

 県観光誘客課は「例年なら中京・関西方面から嶺南へ多くの客が来ていたが、閉鎖のため激減した。開設したところも、感染防止のため混雑を敬遠し、行く人が減ったのではないか」と話している。