地域共通クーポンが使用できるプリズム福井の土産店=10月1日、福井県福井市のJR福井駅

 政府の観光支援事業「Go To トラベル」に10月1日、東京発着の旅行が追加され、地域共通クーポンの利用が始まった。あわら温泉(福井県あわら市)の旅館ではクーポン利用を見込んだ関西、中京方面からの客を中心に10、11月の週末の予約が増加しているところも。一方で、福井県内の旅行会社には東京行きの申し込みはほとんどない。県は東京への往来自粛を緩和したが、新型コロナウイルス感染に対する県民の慎重姿勢がうかがえる。

 まつや千千(あわら市)では9月に入り、クーポン利用を見込んだ家族連れや少人数グループなどの個人客から1日150~200件のペースで予約が入り、10、11月の週末はほぼ予約で埋まった。クーポン利用での館内売店の売り上げ増に向け、福井の銘菓や地酒の詰め合わせなども用意している。清風荘(同)の伊藤由紀夫社長も「(クーポンが使える)土産物として販売するため、地元食材を使った商品開発を進めている」と話した。

 予約が増えているグランディア芳泉(同)の山口高澄常務は「キャンペーンに東京が追加されたことで、旅行に対する前向きなマインドが広がっている。県内の新規感染者ゼロも後押ししている」と分析する。

 一方、9月の感染者が約4900人に上る東京への旅行に対する県民の出足は鈍く、県内旅行会社には申し込みがほとんどないという。東武トップツアーズ福井支店の担当者は「東京に限らず、県外旅行を計画している人の多くは感染を恐れ迷っている」と話した。

 平日ということもあり、1日のJR福井駅には、旅行客とみられる人は多くなかった。夫が単身赴任している東京へ子どもらと電車で向かった福井市の女性(38)は「『Go To―』で、東京に来る人が増えそうで怖い。都内では外出を控えたい」と話していた。

 JR福井駅構内の「プリズム福井」も人の姿はまばら。プリズム福井内の土産店で13年働く女性(67)は「まだ東京が加わった初日だし木曜日」とし「週末以降、クーポンを使ってくれるお客さんが増えてくれれば」とにぎわいの到来に期待を寄せた。

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