福井県立病院で保管中のインフルエンザワクチン。1箱で大人4人分=9月30日、福井県福井市

 高齢者らを対象としたインフルエンザワクチンの優先接種が10月1日から福井県内でも始まる。新型コロナウイルスとの同時流行が懸念される今季。全国民分のワクチン確保が難しい中、福井新聞の調査報道「ふくい特報班」(通称・ふく特)には、優先順にかかわらず早く接種したいとの声が寄せられている。県は「重症化の危険が高い人の免疫力をまず高め、新型コロナの再流行に備える趣旨に理解を」と冷静な対応を呼び掛けている。

 インフルエンザのワクチンは今季、感染症への関心の高まりから需要が増えるとみられており、国は最大約6300万人分を供給する予定。昨年度の使用量より1割多いものの、全国民分はカバーしていない。これを受けた国の接種スケジュールでは、1日から感染時に重症化しやすい65歳以上の高齢者ら、26日から医療従事者や妊婦らが対象で、一般の人も同日から受けられる。

 県保健予防課によると、県内のインフルエンザの流行期は11月~翌年2月で、年末年始にピークを迎える。ワクチンは接種後2週間程度で効果が表れるため、11月に接種してもピークには間に合う計算だ。一方で優先接種の時期は目安で、対象外の人も事情があれば医師と相談して接種できるという。

 県が優先接種に協力を求めるのは、今季の県内のワクチン供給量や接種希望者数が不透明なためだ。「人口比で考えれば、県内にも例年より多い40万人分程度の供給はあるはず。例年の接種率なら不足はしないのだが」と同課。

 さらに今季は新型コロナの再流行に備え、インフルエンザの重症者を極力減らす必要がある。新型コロナにインフルの重症者も加わると、集中治療室(ICU)などが逼迫(ひっぱく)しかねないためだ。

 同課は、ワクチンの主な効果は重症化予防とし「まず重症化リスクの高い人が確実に接種できるよう協力をいただき、一般の人はマスクや手洗いなど感染症対策を徹底してほしい」としている。

×  ×  ×

 福井新聞「みんなで発掘 ふくい特報班」(ふく特)は、暮らしの中で感じた疑問や地域の困りごと、不正の告発といった情報を寄せていただき、記者が取材を進める調査報道企画です。LINEの「友だち」に登録してください。情報提供をお待ちしております。メールやファクス、郵便でも受け付けます。情報源の秘匿は厳守します。

関連記事