2020年5月、恒例のバースデーライブが延期となり、8月に無観客でのオンラインライブを成功させた中川翔子の約5年ぶりとなる5thオリジナルアルバム。19年末の作品だが、意欲作なので紹介したい。

 初回限定盤のCDは全10曲で非常にバラエティーに富んでいる。岩里祐穂との共作詞『ドリドリ』では、際限なく頑張り続ける女子を明るく応援する一方で、劇作家の根本宗子が作詞した『Heavy Girl』では、彼氏に好かれようと過度に何でもしてしまう女子の悲痛な叫びをマイナー調のロックに乗せて表現する。

 また、YouTuberのスカイピースと共演する『六畳間から、世界へ』では元気にハジけまくり、小林幸子との共演『風といっしょに』では、小林と共に大地の女神のように大らかに歌い上げる。

 こんな風にどんな色にも染まりつつ、自分の個性を出せる歌手というのはイマドキ珍しい。そんな彼女のスタンスを端的に示したのがアルバムタイトルとも重なる『RGB』。meg rockとの共作詞によるポップロックで、「無駄なんて ひとつもなくて」「いつの日か 無敵な色になれるように 光を集めたい」という歌詞は、迷いながら生きている多くの10代にも聞かせてあげたいほどだ。

 ラストは、父・中川勝彦が遺した言葉をもとに娘・中川翔子が歌詞を作り上げた『ある日どこかで』。ウォルピスカーターの広い音域の楽曲を、自由に羽ばたくように歌うのも上手い。本作を聴けば、自分の大切な人を理解しようとし続けることが、いずれ自分の輝きに繋がることを大いに実感するはず。

(ソニーミュージック・CD+DVD初回生産限定盤 3618円+税)=臼井孝

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