【ドクター相談室】夜中に動悸、原因や治療方法は

 半年ほど前から、夜中に急に動悸(どうき)が激しくなることがあり、脈拍数が140を超える時もありました。病院で検査をしてもらいましたが、特に異常はありませんでした。最近も深夜になると脈拍数が110前後になって目が覚めてしまいます。動悸が起きる原因は何が考えられるのでしょうか。(福井県嶺北地方、60代女性)

【お答えします】宮崎晋介・福井大学医学部附属病院循環器内科特命准教授

■不整脈による頻脈の可能性

 一般に就寝中に脈拍が生理的に上昇するとは考えづらいですので、不整脈による頻脈の可能性が高いと思います。ご質問の病歴からは動悸の原因は頻脈性不整脈による動悸発作の可能性が高く、具体的には発作性上室性頻拍症や発作性心房細動の可能性が挙がります。前者は脈が規則正しく速くなる病気です。後者は脈が不規則になる病気で加齢に伴って発症頻度は増え、進行すれば脳梗塞や心不全の原因になります。病歴では脈の変動がありますので後者の可能性のほうが高いと思います。

 発作性心房細動は深酒をした後や睡眠不足の日、極度のストレスがかかったときには頻度が増加しますが、多くの人は生活とは関係なく起こります。

 最終的な診断には動悸時の心電図が必要です。病院に救急で受診しても受診時に症状がなければ心電図は正常ですから、異常なしと言われるでしょう。具体的には、(1)発作が毎日起こるなら24時間ホルター心電図検査(2)発作が数時間以上持続するなら近くの病院で動悸中に心電図(3)発作頻度が数日に1回以下や持続が短ければ発作時に携帯心電図を使って自分で記録する―などで診断できます。携帯心電図は小さい持ち運び可能な心電計で、動悸発作があるときに自分で胸に当ててスタートボタンを押せばそのときの心電図が保存されるものです。貸し出せる病院は少ないですが、病院で借りるか、あるいはご自身で購入も可能(インターネット購入で約2~3万円)です。

■カテーテル治療が第1選択肢

 治療の方法は、発作の持続時間や患者さんの生活の質の障害の程度によっても変わりますが、発作性上室性頻拍症はカテーテルアブレーション(心筋焼灼術)が第1選択でほぼ根治可能です。発作性心房細動も基礎心疾患がなければ、同治療により90%以上は消失させることができます。

 薬物治療もありますが、一生涯内服が必要な上、副作用のリスクとも向き合わないといけません。

 生活への注意で発作が消失することは考えづらいですので、早めに不整脈専門医の外来を受診されることをお勧めいたします。

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