いけすで養殖されている小浜よっぱらいサバ。暑さに弱い=2019年4月2日、福井県小浜市田烏

 夏の猛暑の影響で、福井県小浜市の養殖サバ「小浜よっぱらいサバ」が8月中旬以降、出荷停止を余儀なくされている。同市田烏沖10基のいけすで育てられている約7千匹のうち、6割超の約4500匹が死んでしまい、損失額は約700万円に上るとされる。「これだけ死ぬのは考えられない」と養殖業者は頭を抱えるが、10月中旬ごろの出荷再開を目指し工夫を重ねている。

 福井地方気象台によると8月の小浜市は、最高気温が30度を超える真夏日が30日と県内最多。最高気温35度以上の猛暑日は9日あり県内で2番目に多かった。11日には8月の県内最高気温37・6度を観測した。

 サバは暑さと寒さに弱く、海水の適温は18~23度とされている。8月は水温が昼夜問わず30度を超える日が続き、最高は31度。「(水温31度は)ウエットスーツを着たダイバーが熱中症になる。サバにとっては熱湯のような環境」と田烏水産(同市田烏)の横山拓也社長は語る。

 例年、暑さが原因で全体の10~15%は死ぬ。昨年7~8月は4~6千匹を育てており、死んだのは100匹前後。一方、今年は7月に約700匹、8月は出荷停止した20日までに約3800匹と異常だった。「これだけ大量に死ぬのは、(2016年に)養殖事業を開始してから初めて。災害の域に達している」(市農林水産課)。

 「手塩にかけて育てた“わが子”が死んでいる姿を毎日みるのはとてもつらい」と横山社長。計画していた約1200匹の出荷を断念した。

 現在水温は若干高い26度。同社は弱っている2500匹の体力回復に努めている。えさやりなどの工夫で体力の消耗を抑え、ストレスを与えないようにしている。横山社長は「出荷先の店から励ましの声を頂くこともある。品質には妥協せず、よっぱらいサバを待っている人たちに1日でも早くお届けしたい」と気持ちを切り替えている。

 えさに酒かすを混ぜて与える小浜よっぱらいサバの養殖は、2016年から市主導でスタート。19年に同社に引き継がれ、市内民宿や鯖街道でつながりのある京都などへ出荷されている。

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