観ていると上手に呼吸ができなくなってしまって困った。この連載の1本の文字数は400文字前後とされているのだけれど、そこまで泳ぎ切れるのか不安になるくらい、感情の揺らぎ、葛藤、苦悩が伝播してくる。ほっとする時間、笑っちゃうひとときもあるのに、やっぱりヒリヒリして、生々しくて苦しくなる。とんでもないものに手を出してしまったのかもしれないという予感というか確信がありつつも、もうどうしようもないのでこのまま進むことにしよう。

 長野県出身のユニットMOROHA。本作のDISC1にはMOROHA初の映像作品『其ノ灯、暮ラシ』が大きな話題を呼び劇場版制作・公開にまで至った奇才・エリザベス宮地監督によるドキュメンタリー映像作品その名も『其ノ灯、暮ラシII』が据えられている。今回は「彼らの音楽を聴く人々の日常」の目線から、メジャーデビュー決定より3年間の軌跡を記録した180分の大作だ。DISC2には2019年7月の日比谷野外音楽堂での単独ライヴを約108分フルサイズ収録。2枚とも私にとってはMOROHAそのものという感覚で、自分が普段見ないようにしていることを目の前に全部さらけ出されたような、そんな気持ちになった。

(ユニバーサル ミュージック・5980円+税)=玉木美企子

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