接触者全員を即時検査すると…

 福井県内は、9月9日から12日連続で新型コロナウイルスの新規感染者ゼロが続き、感染拡大はこのところ落ち着きを見せている。7月以降の県内第2波では、感染者が確認された場合に家族や同僚ら接触者全員を対象に行われてきた即日のPCR検査が、拡大防止に効果を発揮してきた。他の都道府県ではあまり例のない県独自の対応。陽性者の早期発見とともに、感染経路の推定に役立っている。

 福井県は、感染者と同じ集団内の接触者全員を対象にした即日検査を、第1波の途中から行っている。濃厚接触者には発症に至らずともPCR検査を実施。濃厚接触者に該当しない接触者にも積極的に検査を実施している。第2波では、即日検査の対象が職場の同僚数十人に及ぶケースがあった。

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 まず目的とするのは、他の感染者の早期発見。同じ集団内で別の人の陽性が判明すれば治療と隔離につなげ、さらにその人の接触者を全員検査する。「次の次の感染を止める」(県保健予防課)ための対応だ。

 逆に、この時点で接触者全員が陰性であれば、感染者にうつした側の人がその集団内にはいないことが分かる。これにより、感染経路は集団以外にあるという前提で、行動歴などの聞き取り調査を進めることができるという。

 県の分析結果では、第1波の感染者122人は、2次感染までの範囲に限ると70人に絞られることが示されていた。8月前半ごろまでは、即日検査を徹底することで「それと同様に拡大を防げる計算になる」(県保健予防課)との見通しだった。

 だが、8月後半に複数のカラオケ喫茶で利用客や経営者らのクラスター(感染者集団)が発生。多くの利用客が複数の店舗に通っていたこともあって感染の可能性が広がった中、県は福井・丹南地域のカラオケ喫茶の経営者と従業員の全員に検査の網を広げて対応した。

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 一方、即時検査の段階で接触者の陰性が確認されても、微量だった体内のウイルスが数日後に増えて発症する場合があり、再検査で陽性になる例は第2波で複数みられた。その際も同じ集団内の全員を再び検査することになり、3度目の検査で感染が確認された人もいた。

 こうした前提から、濃厚接触者には即時検査で陰性であっても2週間の自宅待機を求めている。県健康福祉部は「いったん陰性だった人が陽性になるケースは今後もあり得る。しっかり健康観察をさせていただくことを続けていきたい」としている。

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