関西電力の水田原子力事業本部長代理(右)に福井県の認識を伝える野路安全環境部長=9月18日、福井県庁

 関西電力は9月18日、原則40年の運転期間を超えた美浜原発3号機(福井県美浜町)と高浜1号機(同県高浜町)について、運転延長に必要な安全対策工事を完了したと福井県、美浜、高浜両町に報告した。県幹部は面談で、関電役員らの金品受領問題で信頼が大きく損なわれていると苦言を呈し、「地元として直ちに再稼働の議論を始められる状況にはない」との認識を示した。

⇒【図】関電が示した美浜3号と高浜1号の工程

 40年超原発で安全対策工事が完了したのは全国で初めて。関電は美浜1号機を来年1月ごろ、高浜1号機を同3月ごろに再稼働させるとの方針を示しているが、地元同意の手続きに時間が掛かり工程が遅れる可能性もある。

⇒原発安全工事終了、地元町長の声

 関電原子力事業本部の水田仁本部長代理が県庁を訪れ、野路博之県安全環境部長と面談した。水田本部長代理は、原子炉格納容器の強化やケーブルを燃えにくくする対策などの工事が完了したと説明した。

 これに対し野路部長は「工事完了は一つの節目だが、関電に対する信頼が損なわれているのが現状だ」とくぎを刺した。今後、関電が金品受領問題を受けて策定した業務改善計画の実施状況や、7月に新たに発覚した関電子会社元社長らの金品受領の調査結果を報告するよう求めた。

 さらに、相次ぐ労災事故や新型コロナウイルスへの対策について「今後も予防的に対策を進めてほしい」と注文した。その上で「地域住民は関電が信頼できる会社なのか、一つ一つの対応を注意深く見ている。地元の安全や地域への貢献を第一に考えて行動する姿勢が重要だ」と強調した。

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