トリケラトプスの脳などの3Dモデル(手前中央と右)を分析し、生態を推定した坂上莉奈さん(左)と河部壮一郎准教授。3Dモデルは河部准教授が手にしている頭骨化石などを基に復元した=福井県永平寺町の福井県立大永平寺キャンパス

 大きな角や首の周りのフリルなどで知られる草食恐竜のトリケラトプス、機敏な動きは苦手だった!?―。福井県立大学大学院生らが福井県立恐竜博物館(勝山市)にある頭骨化石を基に脳などの形を復元して分析し、推定される生態についてまとめた。研究論文は9月18日、電子版のオープンアクセス科学雑誌「PeerJ」に掲載された。

 論文を発表したのは、県立大大学院生物資源学研究科博士課程1年の坂上莉奈さん(25)と、同大恐竜学研究所の河部壮一郎准教授(35)。

 坂上さんは修士論文のテーマとして、角竜の代表格で白亜紀末期に北米に生息していたトリケラトプスに着目。2018年7月から、県立恐竜博物館にある2体の頭骨化石について、脳などが収まっていた空洞の大きさや形をコンピューター断層撮影装置(CT)で解析した。

 3Dプリンターで脳や神経、内耳などを三次元的に復元し、大きさなどを計測したところ、内耳にある体のバランス感覚をつかさどる三半規管が他の恐竜に比べ発達していないことが判明。より原始的な角竜などに比べ、トリケラトプスは機敏に動くことが苦手だった可能性が高いことが分かった。

 さらに、▽脳にある嗅覚をつかさどる部位が小さく嗅覚は鋭くない▽内耳の蝸牛管(かぎゅうかん)が長く、低い音を聞くのが得意▽内耳の角度から口は下向きで、草を食べるのに適していた―などが推測できた。

 県立大恐竜学研究所によると、トリケラトプスは素早く動いて、肉食恐竜にも立ち向かうイメージの人が多いという。坂上さんは「今回の研究で大きな角で威嚇しながら、どっしりと構えていた恐竜だった可能性が高く、イメージとは違う」と話した。

 河部准教授は「脳などは化石として残っていることはない。CTなど最新技術を使うことで、どんな恐竜だったのか解明でき、知られざる一面が分かるのではないか」と述べた。

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