揺れの激しい灯浮標(高さ約5m)の上で点検を行うベテラン海上保安官

「灯台」は昔から海の道しるべとして船乗りたちの航海の安全を守ってきました。
あまり知られていないかもしれませんが、海辺に立つ「灯台」って海上保安庁が管理しているんです。

灯台は、灯光の仕方(光の色、発光している秒数や間隔)で夜間でもどこのどの灯台かを見分けることができ、その灯台が見える方角などから、自分の船が海上のどのあたりにいるのかを知ることができます。
昔も今も灯台は船乗りにとって重要なもので、その光が消えてしまうと自船の位置を見失い、浅瀬への乗揚げや岩場への衝突など、重大な事故につながりかねません。

写真に写っているのは「灯浮標」というもの。
みなさんが思い浮かべるような「白亜の灯台」とは少し様子が違いますが、これも灯台と同じく発光の仕方や灯浮標自体の色や模様によって港などの航路(船の通り道)や危険個所(浅瀬や海面下に潜む岩など)を示しており、これもまた航海の安全を支える重要な役割を果たしているものです。

かつては「灯台守(とうだいもり)」と呼ばれる人たちが住込みで灯台などの管理を行っていましたが、最近では灯台や灯浮標の中に発光の状況を知らせる発信装置が組み込まれており、発光状態の異常などを海上保安庁が24時間体制で遠隔監視しているのです。

この日は、名勝「気比の松原」沖合の敦賀港内に浮かぶ「湧所埼(ゆとこざき)東方灯浮標」に通信異常が発生したということで、ベテラン海上保安官とうみまるとで点検と修理に向かいました。
写真を見てもらえれば分かると思いますが、灯浮標って文字通り海に浮かんでいるものなので、上に登ってみるとめちゃくちゃ揺れるんです!とても怖くてビビっていたうみまるでしたが、ベテランはさすが。安全に配慮しつつスイスイっと上に登って灯火の状態などを確認します。
灯火の発光には問題なく、今度は通信装置などが格納されている下の区画へマンホールを通って向かいますが、ここで問題が発生!

実はこのベテラン海上保安官、敦賀海上保安部随一の巨漢で、身長183センチメートル、体重は「百数十キロ超の数字を見てから怖くて測ってないけど、きっとまだ増えてる・・・」とおっしゃっております。
しかも昨日の晩御飯は、お米2合盛りのカツカレーを2杯食べたとのことで、パンパンに仕上がったお腹が下の区画へ続くマンホールの中に突っかかり、
「う、動けない!!!」
大粒の汗が額から滴り落ちています。
この大汗で少し縮んだのか、数分間もがかれた後、なんとか体勢を変えて下の区画に入ることができたベテラン海上保安官。
私もほっと安堵しますが、出るときのことが思いやられます・・・(当然出るときもかなり苦戦してらっしゃいました)
ちなみに、異常があった箇所は速やかに復旧されました。さすがです!

このように、海上保安官は皆様の見えないところでも、過酷な状況(笑)の中、日夜海の安全を守っているのです。

最後にベテラン海上保安官へひとこと。
灯台だけに、健康の赤信号が灯ってますよ!
おあとがよろしいようで。(敦賀海上保安部・うみまる)