花が咲いていない彼岸向けのキク。例年ならすでに刈り取られて出荷されている=9月16日、福井県福井市

 彼岸の墓参りに欠かせないキク。今年は9月上旬までの猛暑が影響し、福井県内生産地のキクの生育が遅れている。9月19日の秋の彼岸入りを目前に、圃場では大半がつぼみの状態で出荷できず生産者は気をもんでいる。

 福井市のキク農家の男性(72)の圃場では、開花は例年より5日から1週間程度遅れている。8月中旬までは順調に育ちつぼみを付けたが、同下旬以降も猛暑日が続き、生育が止まってしまったという。出荷は2~3分咲きの状態で行うが、今年は彼岸を直前にしても大半がつぼみのままだ。

 彼岸を過ぎると需要が減り、市場での取引価格は下がる見通し。栽培歴50年以上の男性は「生育は天候次第だから仕方ない。とはいえ、近年は猛暑日が多く栽培が難しくなっている」と困り顔。ただ、ここ数日は気温が落ち着き開花は進んできたため「連休中に買いに来るお客さんの分は確保したい」と話している。

 JA福井県によると、県内最大産地の奥越でも、全体的に生育は遅れている。国内有数産地の愛知県も同様の傾向で、花卉卸売りの福井中央花卉市場(本社福井市)ではキクの入荷量が昨年の半分以下に落ち込み、価格も高めで推移しているという。

 一方、同市内の複数の生花店によると、今のところ入荷に大きな影響はないという。

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