鮎川町の住民がボランティアで拾い集めた海岸の漂着ごみ。海岸管理者の県が回収しないまま国道305号沿いに放置されている=9月17日、福井県福井市鮎川町

 福井県福井市の越前海岸に面する鮎川町の住民がボランティアで拾い集めた海岸の漂着ごみが、行政に回収されないまま2カ月以上放置されている。海岸を管理する県はごみの回収を市に委託しているが、予算をほぼ使い果たしたとして6月に委託をストップ。市は「県が責任を持って回収すべきだ」とする。越前海岸のイメージ悪化を懸念する住民は「県でも市でもいいから早く何とかして」と訴える。

 海岸沿いの国道305号を車で走ると、道路脇に積まれたごみ袋の山が目に留まった。ペットボトルに空き缶、漁網…。50袋はあろうか。近くの住民は「積まれたままのごみをカラスが散らかしたり、観光客がさらに捨てたりしており、そのたびに片付けている。行政は早く何とかしてほしい」とこぼす。

 鮎川町の住民は海水浴場の海開きを前に毎年、海岸の清掃奉仕を続けている。今年は7月5日に行い、国道沿いの数カ所にごみを集めて行政に回収を要請。漁港など市管理区域の海岸で集められたごみは市が速やかに回収したが、県管理区域のごみは回収されないまま、越前海岸の景観を損ね続けている。

 県は市町への委託料として本年度、一般会計当初予算に5488万円を計上。そのうち3842万円を見込んでいた国の補助金が約440万円少なかったことから各市町への配分が減少。5月下旬に美浜町の海岸に漂着したクジラの死骸の回収に310万円がかかったこともあり、予算をほぼ執行してしまっているという。

 県は国に追加の補助金を要望しているが、先の台風9、10号の影響で九州の海岸にもごみが大量に漂着。これらの回収にも国に補助金の要望が寄せられているため、交付時期のめどはたっていないという。

 9月16日の福井市議会予算特別委員会で、鮎川町の自治会長を務める石丸浜夫委員がこの問題を取り上げた。「県に早急な回収と、今後こうした事態が2度と起こらないよう強く求めている」とする理事者に対し「市で県でと言うんじゃなくて、率先して美化に努めてほしい」と注文した。

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