「市民に安心を届けたい」と話す岡田将輝巡査=福井県小浜市の福谷駐在所

 マラソン選手を目指して鍛えた忍耐力と脚力が、犯人逮捕に生きた-。福井県警小浜署の岡田将輝巡査(27)は、大阪府警をへて長距離ランナーになる夢に挑んだ異色の経歴を持つ。記録が伸びず実現できなかったが、今春、福井県警に再就職。8月、初任地の小浜市内で粘り強く張り込み、逃げる容疑者を取り押さえる手柄を挙げた。「市民に安心を届けたい」。新天地で志を強くしている。

 岡田さんは奈良県出身で中学、高校、大学と陸上部に所属。実業団に入るか迷ったが、人の役に立ちたいと2015年に府警に入った。しかし東京五輪が近づくにつれ五輪選考レースに出場したいと夢が再燃し、18年に退職した。それから毎週マラソン大会に出場。母校の大学の練習にも参加し自身を鍛え直した。ようやく目標の2時間15分に近いタイムを出せるようになったが、肝心の大会で結果が出せず断念した。

 若狭町出身の妻(27)との結婚を機に、「子育てがしやすそう」と福井への移住を決意。マラソン大会で先導してくれた白バイ隊員ら地域で活躍する警察官の姿を思いだし改めて警察官になりたいと、20年度採用の福井県警の試験を受けた。

 初任地の福谷駐在所(小浜市)には4月に着任。管内で窃盗と思われる事件が発生し、8月には刑事生活安全課の署員とともに深夜の張り込みを繰り返した。「マラソンで培った忍耐力が役立った」。現れた容疑者に声を掛けると逃走。持久力が持ち味だが、「住民が困っている。何が何でも捕まえたかった」一心で瞬発力を発揮。わずか20メートルほどで捕まえ、県警に入ってから初めての現行犯逮捕だった。

 初めて暮らす小浜は、住民がよく声を掛けてくれて、大阪より住民との距離が近いと感じている。「頼られた時に応えられる存在になりたい」と責任感を口にしていた。

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