福井地裁=福井県福井市

 2017年3月に福井県池田町の池田中の男子生徒が自殺したのは、当時の担任教諭らの厳しい指導・叱責(しっせき)と安全配慮義務違反が原因だとして、母親が県と町に計約5470万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が9月16日、福井地裁(武宮英子裁判長)で開かれた。県と町は請求の棄却を求めた。

 訴状などによると、男子生徒は、当時の担任と副担任から課題提出や生徒会活動の準備遅れなどで厳しい叱責を受け「学校に行きたくない」などと訴えることがあった。その後、17年3月14日に校舎3階から飛び降りて自殺した。原告側は「担任や副担任の叱責は、恐怖を覚えさせて精神的に追い詰めるだけの行為で、叱責を止めるなどの安全配慮義務も怠った」と主張している。

 母親が意見陳述し「未来ある将来が待っていたはずの息子の命を教師が奪ってしまったことを理解してほしい。事件当時の衝撃は今でも忘れることができない。息子の苦しみに気付けなかったこと、息子を救えなかったことをずっと後悔している」と声を震わせた。

 池田町側は答弁書で「教育上不適切な指導があったとしても、教育目的を逸脱していない」と反論した。

 母親は閉廷後、「町長は『今後の訴訟に対して誠実、丁寧に対応していく』と言っていたのに、このような結果となり残念。ショックを受けている」と代理人の弁護士を通してコメントした。

 池田町の杉本博文町長は「教育上の責任を痛感しており、引き続き再発防止に全力を尽くすが、補償問題については町民への説明責任を果たすため、裁判所の判断を仰ぐべく、真摯(しんし)に対応していく」とのコメントを発表した。

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