事件現場となった住宅の前に設けられた献花台=9月16日午後3時35分ごろ、福井県福井市

 福井県福井市の住宅で高校2年の女子生徒(16)が刺し殺された事件で、殺人容疑で同居の祖父(86)が逮捕されて9月17日で1週間。調べに対し容疑を認める趣旨の供述をする一方、当時の状況などに関してはあいまいな部分も多いという。複数の関係者によると、認知症の治療を受けていたとみられ、症状の進行を抑えるパッチ剤(貼り薬)を使用していた。ただ、犯行直後に息子である女子生徒の父親に電話するなど、判断能力があったことをうかがわせる状況もあり、福井県警は責任能力の有無や動機について慎重に調べを進めている。

 県警によると、祖父が9日深夜、市内で別居している女子生徒の父親に電話で「けんかをしていたら動かなくなった」と伝えた。父親が2階建て住宅の1階で倒れている女子生徒を発見、10日午前0時10分ごろに110番した。福井南署などが同日深夜に祖父を逮捕した。

 捜査関係者によると、知人とのやりとりから女子生徒が9日午後10時ごろまで生存していたことが確認できており、県警は同日午後11時台の犯行とみて調べている。

 女子生徒は首など上半身数カ所を鋭利な刃物で刺されており、死因は出血性ショック。部屋着姿で、抵抗した際にできる傷などはなかった。遺体があった台所や近くの寝室に血痕があり、就寝中などに襲われた後、台所まで逃げた可能性がある。凶器とみられる包丁が台所に落ちていた。

 祖父は当時酒を飲んでおり、「カッとなった」「孫の口ぶりに腹が立った」などと容疑を認める趣旨の供述もしている。ただ、耳が遠く、捜査官の質問と供述がかみ合わないこともあるという。

 近くの住民らによると、女子生徒と祖父は7月ごろから2人で暮らすようになり、祖父は「孫娘が来て、にぎやかでいいんや」と周囲に話していた。一方で、自宅前でぼうっとすることも姿をよく見かけたという住民もいる。

関連記事