2000年代及びその前後数年の楽曲をノンストップで繋いだコンピレーション。オリジナルのヒット曲を使ったMIX CDはDJ和の独壇場だったが、女性有名人(本作ではフィギュアスケート選手の本田真凛)をジャケットにして本物感を演出しつつ、お値頃な価格で発売した同社のシリーズもヒットを続けている。

 本作は全33曲収録だが、その選曲がかなり風変わりだ。前半10曲あたりは、いきものがかり『YELL』やhitomi『SAMURAI DRIVE』などエールソング系のヒット曲が詰まっていて、この辺りはアルバムの副題に忠実だ。BENNIE KやFUNKY MONKEY BABYSなど現在では同じメンバーでの実演が難しいユニットの楽曲も続けて聴けるのも、フェスにはない魅力と言えそうだ。

 しかし、さらに聴いていくと、異変(?)が起きる。14曲目にクリス・ハート『I LOVE YOU』、18曲目にナオト・インティライミ『今のキミを忘れない』、22曲目にWhiteberry『夏祭り』など、失恋系の切ない楽曲が度々あり、「これがエールソング??」と不思議な気分に。さらに、31曲目から鬼束ちひろ『月光』、山崎まさよし『One more time,one more chance』と究極の泣け歌が続く。これらを善良に解釈すれば、悲しい日常もあるからこそ、“エガオのチカラ”は必要ということだろうか。ラストに東京事変の超絶ハードロックの『生きる』が、フルコーラスで収録されているのも選者のこだわりだろう。

 詰まるところ個性とは、王道から外れた部分に現れることを本作から実感するはず。

(ユニバーサルミュージック・1980円+税)=臼井孝

関連記事