調査のためインターホンを押す国勢調査員。集合住宅は不在がちで調査が進まず苦しんだ=9月11日、福井県内

 9月14日から調査書類の配布が始まる国勢調査。事前に国勢調査員が訪問して世帯人数調査が行われたが、県内の調査員男性から「マンション、アパートでは返事をもらえず困った」という声が、福井新聞の調査報道「ふくい特報班」(通称・ふく特)に寄せられた。なかなか住人がつかまらず“夜討ち朝駆け”で何度訪問しても会えず無駄骨に。男性は「困り果てた。5年に1度の調査なので、できるだけ協力をいただけたら」と理解を求めていた。

 今回の国勢調査は、新型コロナウイルスの感染対策を取っている。声を寄せてくれた70代男性は、マスクと使い捨て手袋を着用し、基本的にはインターホン越しに対応するよう行政から指示された。

 男性の受け持つ地域では、自治会の役員ら高齢者が調査員を務めるケースが多い。1日から、世帯主の氏名と男女別の世帯人数の調査が始まった。

 男性によると、一軒家はスムーズに進んだが、マンションやアパートなど集合住宅は一筋縄ではいかなかった。残暑厳しい中、マスクと手袋を着用し何度も訪問したが不在に苦しめられた。エアコンの室外機が回っていることもあったが「居留守なのか、出てきてくれなかった」という。

 日中に出掛けているならばと朝訪ねると「今は忙しい」とけんもほろろ。夜遅くの訪問は気が引け、調査は進まず、男性の担当区域に数十あった集合住宅のうち、半数の世帯は人数が分からずじまいという。

 集合住宅の世帯は自治会に加入しないケースが目立ち「近所から情報を得るのも難しかった」という。国から宅建業界に対し、集合住宅の世帯情報提供で協力依頼をしているが、管理会社から「個人情報は出せない」と拒否されるケースも目立った。

 この人数調査は、各世帯に届ける調査票の枚数を決めるだけでなく、国がまとめる人口速報集計のデータにもなる。男性は「集合住宅の住人にもしっかり理解してもらえるよう、もっと国勢調査の重要性などを周知してほしい」と広報活動の必要性を訴えていた。

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