前面にビニールシートを取り付けたステージで歌声を披露する常連客。対面する形だった約20席も撤去した=9月11日、福井県鯖江市のカラオケ喫茶

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けた福井・丹南地域のカラオケを伴う飲食店を対象にした県による昼間の休業要請が9月11日、解除された。カラオケ喫茶の各店舗は、仕切りを新たに設置するなど対策を徹底した上で慎重に「昼カラ」の営業を再開。一方で、感染リスクの懸念がぬぐえずに昼営業の自粛を続ける店舗もみられる。

 2週間の休業を終えて営業を再開した鯖江市のカラオケ喫茶。ステージと客席の間にビニールシートを取り付け、テーブルを挟み対面する形だった約20席を撤去した。

 早速訪れた地元の常連男性(81)は「待ち遠しかった」とステージへ。店員の女性は「久々に常連さんの元気な顔を見られてうれしい。安全に楽しんでもらえるようにしていきたい」とほほ笑んだ。

 県は11日から、昼営業をしている県内全域のカラオケを伴う飲食店について、デュエットの自粛など感染対策の要請内容を強化。福井・丹南地域の各店舗を7日から順次巡回し、独自に設けたチェックリストの順守を呼び掛けている。

 11日に再開した福井市内のカラオケ喫茶も、席の間を仕切るアクリル板を準備。扉は常時開放し、歌う時はマスク着用だ。来店者を把握できるよう、県外客やこれまで来店したことのない人は入場を遠慮してもらうよう張り紙を貼った。

 経営する男性(67)は感染対策について「完璧を求められると店は営業できない。それぞれの店でルールを決めて、それを守っていくしかない」と話す。この日訪れた利用客は2人にとどまり、予定時間より早めに店を閉めた。「すぐ元通りに客が来ることはありえない。回復するには来年いっぱいはかかるだろう」

 休業要請の解除後も、昼間の営業の自粛を続ける店もある。福井市内の店を経営する50代女性は「昼の利用者は基礎疾患がある高齢の方が多い。来てくれても危険が伴う」。午後6時以降の夜営業は今まで通り行うが、店先には他店を利用している人は来店を控えるよう張り紙を掲示した。店内には四つ目の換気扇も設置する予定だ。

 しばらくは他店の様子や感染状況を見て、再開時期を判断したいという経営者はほかにも複数みられ、ある店舗は当面カラオケを使わず飲食のみで営業をするという。50代女性経営者は「歌好きな方はいろんな店を回る。私が感染したら他のお客さんにうつしてしまうからすごく危機感がある」と話した。

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