今秋のクマ大量出没の可能性が報告された県の対策連絡会=9月11日、福井県鯖江市横越町のNOSAI福井

 ツキノワグマが今秋(9~12月)は福井県内で大量出没する恐れがあることが9月11日、鯖江市で開かれた県の対策連絡会で報告された。昨年に引き続きブナやミズナラの実が不良となっており、餌を求めて集落に出没しやすい状況になってる。県は、集落内のクリやカキの管理、生ごみや農作物の残りかすの撤去などの対策を呼び掛けている。

 8月に県内46地点でドングリ類の実の付き具合を調べたところ、奥山に育つブナが凶作、ミズナラは不作。里山のコナラも不作で、過去に大量出没が発生した年に似た餌不足の状況になっていた。ブナとコナラは、914件の大量出没を確認した昨年度よりも実の付き具合が悪かった。ドングリ類は隔年で豊凶を繰り返すとされてきたが、近年は傾向が崩れてきている。

 今年4~8月の出没件数は379件で、2004年度の統計開始以降で最多となった。「人に近い場所に定着した『里クマ』が増えた」(県自然環境課)ことが影響しており、大量出没が近年起きやすい原因にもなっているという。7月に越前市、8月には小浜市で人身被害が発生した。

 県自然環境課は、昨年10月に勝山市の住宅街でクマ2頭が木の上に3日間居座り続けた例を挙げ、「安全に隠れられる場所と食べ物を取り除くのが大事」と説明。カキを除去したり、やぶを刈ったりするなどの対策を求めた。

 会合には県、市町、県猟友会などの約50人が出席し、出没した際の対応や連絡体制を確認した。