たけのこ児童館内にあるホール。熱中症予防のため、遊びでは使用していない=福井県福井市砂子坂町

 福井県福井市内の大半の児童館にあるホールにはエアコンが設置されていない。スポーツや遊戯などで子どもたちが思い切り体を動かせる憩いの場所。熱中症予防のため、エアコンの設置を求める声が福井新聞の調査報道「ふくい特報班」(通称・ふく特)に寄せられた。児童館によっては、ホールを使った遊びを取りやめる所もある。市教委はこれまでにもエアコン設置を検討してきたが、建物の老朽化やコスト面から実現に至っていない。

 市教委によると、ホールがある児童館は26カ所あり、そのうち25カ所のホールにはエアコンが設置されていない。1カ所は保育園だった建物を使用しているため元々、エアコンがあった。ホール以外で児童が過ごす児童クラブ室や図書室などにはエアコンがあるという。市内に53ある児童クラブは、多くが小学校内に設置されており、ホールを持たないクラブが多い。

 福井市以外では、越前市は児童館のホールにエアコンを設置。児童センターの「スポーツルーム」にはエアコンはないが、可動式のスポットクーラーや大型扇風機を設置して対応しているという。坂井市は11ある児童館、児童センターのうち、4カ所(1カ所はコミュニティーセンターと建物を供用)のホールにエアコンを設置している。

 エアコンがないため今夏、福井市内の児童館のホール使用法は分かれる。たけのこ児童館(砂子坂町)は熱中症予防や新型コロナウイルス感染防止のため、ホールを使った遊びはせず、児童クラブ室や図書室などでブロック遊びや読書などをしている。

 男性館長(62)は「子どもたちの安全を第一に考えた結果。ホールが使えない前提で職員は工夫しながら遊び方を考えている」と話す。ただ「本当はホールで思い切り遊ばせたい。エアコンは設置してほしい」と複雑な心境ものぞかせる。

 一方、ひまわり児童館(文京6丁目)は、ホールを使った遊びを継続している。小まめに水分補給を呼び掛けたりホールに面したエアコンのある部屋の扉を開けて冷気を送ったりするなどの熱中症予防対策を施しながら、コマ回しやけん玉、紙飛行機飛ばしといった激しく体を動かさない遊びをしている。男性館長(66)は「ホールを使わないとほかの部屋で児童の密集ができてしまう」と新型コロナ対策を理由に挙げた。

 保護者からは設置を求める声が多い。小学1年生の女子児童の母親(34)は「児童館で熱中症対策はしているとは思うが、やはり不安」と話し、2児の母親(33)は「年々暑くなっているので心配。早急にエアコンを設置してほしい」と切望していた。

 市教委によると、ホールは広い上に天井が高い所が多いため、エアコン設置には1児童館当たり数百万円掛かる見込みだという。

 市放課後児童育成室の大久保容子室長は「設置は以前から検討しているが、コスト面や児童館によっては老朽化も進んでいるため難しい」とした上で、例年猛暑が続いており「何らかの対応策は考えないといけない」と話した。

  ×  ×  ×

 福井新聞「みんなで発掘 ふくい特報班」(ふく特)は、暮らしの中で感じた疑問や地域の困りごと、不正の告発といった情報を寄せていただき、記者が取材を進める調査報道企画です。LINEの「友だち」に登録してください。情報提供をお待ちしております。メールやファクス、郵便でも受け付けます。情報源の秘匿は厳守します。

⇒ふくい特報班・特設ページはこちら

関連記事