新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真(国立感染症研究所提供)

英製薬大手アストラゼネカが英オックスフォード大と共同開発している新型コロナウイルスのワクチンを巡り、臨床試験(治験)に参加したボランティアに深刻な副作用が疑われる事例が発生し、米国での治験が中断していると欧米メディアが9月8日、報じた。

 米国の医薬専門サイトによると、問題となっている事例は英国での治験で起きたとみられる。症状などは不明だが、回復の見込みという。アストラゼネカの広報担当者は「安全性を確認するため、投与の中断を判断した」と認めたという。

 治験の最終段階に進んでいる同社のワクチンは開発競争の先頭を走っているとされ、日本政府も1億2千万回分の供給を受けることで合意している。米国では8月末に最終段階の治験が始まり、参加者3万人を目標に、感染や重症化の予防効果や安全性を見極めることを目指していた。

 英国、ブラジル、南アフリカのほか、日本でも8月に約250人を対象に初期段階の治験が開始。日本法人の広報担当者は「情報収集中でコメントできない」としている。

 このワクチンは、新型コロナウイルスの遺伝子の一部を無害な別のウイルスを用いて体内に導入し、抗体を作らせる仕組み。同社などは7月、英国で千人余りを対象にした初期段階の治験では接種した人に抗体ができ、深刻な副作用は見られなかったと発表していた。

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