9月4日の地震で天井パネルが壊れる被害が出たショッピングセンター「アミ」=福井県坂井市春江町随応寺

 福井県坂井市で震度5弱を記録した9月4日の地震について「緊急地震速報が出なかったのはなぜ」という疑問の声が、福井新聞の調査報道「ふくい特報班」(通称・ふく特)に寄せられた。速報を出している気象庁によると、速報(警報)の発表基準は「震度5弱以上と予想された場合」だが、今回は基準未満の震度とはじき出されていた。想定内の誤差によるものだが、同様のケースは4割ほど起きており、基準ぎりぎりの地震に起こりやすい現象という。

 福井地方気象台によると、緊急地震速報は2種類あり、「警報」は震度5弱以上の予想で、テレビやラジオ、携帯電話の緊急速報メールなどに出される。もう一つは「予報」で、予想震度3以上で個別契約した事業者に提供される。今回出なかったのは警報の方だ。

 予想震度は、地上で揺れるより前に観測される地震波を基に自動計算される。ただ地盤の強さや震源の深さにより、実際の震度とはプラスマイナス1程度の誤差が生じるという。

 このため発表基準に近い地震の場合、誤差により、実際は震度5弱以上となっても警報が発表されない場合がある。気象庁の2007年10月~20年3月末の統計では、震度5弱以上が観測された地震のうち41%で、「見逃し」と呼ばれる発表されないケースが発生しており、珍しい現象ではない。

 今回の地震は震度5弱が観測されたが、精密には震度4・8だったという。「5弱」は震度4・5~4・9とされており、予想された震度4とはわずかな差だった。

 気象庁では2016年、18年と相次いでソフトの改善を図っており「さらに精度を上げていきたい」としている。

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