自転車に乗り北潟湖周遊を楽しむ旭小学校6年生=9月3日、福井県あわら市北潟

 都市圏などでの新型コロナウイルスの感染拡大を受け、福井県内の小中学校では修学旅行の行き先を県外から県内に変更する動きが強まっている。9月中旬~10月中旬に芦原温泉や嶺南地域などに1泊2日で行く学校が目立つほか、楽しむことを主眼に日帰り遠足の形式にするところも。学校側の「何とか行かせてやりたい」という思いは強く、宿泊先を貸し切りにするなど感染防止対策にも余念がない。

 旅行会社の東武トップツアーズ福井支店(福井市)は9月1日までに、修学旅行を取り扱っている県内中学33校のうち31校の行き先を関西、中京方面などから県内に変更した。

 小学校については、例年は関西方面に行く学校が大半だが、県小学校長会の聞き取りでは今年は9~11月に県内で1泊2日という学校が多い。高校は県立、私立とも通常は2年時に九州・沖縄などに行く学校が多いが、県教委などによると、今年11月~来年2月に計画している学校は現在、行き先の感染状況などを見極めているという。

 坂井地区のある中学は当初、5月下旬に2泊3日で東京方面へ行く計画だったが延期。7月にはいったん中京方面を検討したが、結局は9月下旬に1泊2日で嶺南に行くことになった。小浜市内のホテルを貸し切る予定だ。敦賀市の気比神宮や池田町の体験施設「ツリーピクニックアドベンチャーいけだ」への訪問を検討している。

 校長は「修学旅行は最後の思い出づくりの場」だとし、例年とは全く違う学校生活を送っている3年生を思いやる。しかし、校内で感染者が出たり、さらに県内で感染が拡大したりしたら、旅行前日や当日の中止もあり得ると説明。「リスクと思い出づくりのせめぎ合い」と表現した。

 一方、福井市内のある中学は、修学旅行に関する保護者アンケートで約2割が中止すべきだと回答した結果を受け、9月下旬に日帰りの遠足形式で実施することを決めた。

 8月下旬に校長自らが説明したところ、生徒からは「仕方がない」「日帰りでもみんなで楽しめる場があるだけいい」などの声が上がった。校長は「学習要素を外し、楽しむことに主眼を置く。仲間と一緒に思い出をつくってほしい」と強調した。

 福井市旭小学校の6年生は今月2、3日の1泊2日で、貸し切ったあわら市の県立芦原青年の家を訪れた。感染防止対策を徹底し、児童らは自転車で北潟湖を周遊するなどして楽しんだ。男子の一人は「県外に行けなくて残念だったけれど、屋外でのカレー作りや星空観賞など、みんなと一緒に楽しむことができた」。前川和彦校長は「コロナ禍の中で、修学旅行が一番の悩みだった。何とかみんなで宿泊することができてほっとしている」と笑顔あふれる教え子たちを見つめた。

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