記者会見する原子力規制委員会の更田豊志委員長=9月2日午後、東京都港区

 原子力規制委員会は9月2日の定例会合で、東京電力と日本原子力発電が出資する「リサイクル燃料貯蔵」(RFS)の使用済み核燃料中間貯蔵施設(青森県むつ市)が、新規制基準に適合しているとする「審査書案」を了承した。事実上の審査合格。今後、一般からの意見公募などを行った上で正式合格となる。

 使用済み燃料を化学処理(再処理)して取り出したプルトニウムを、燃料として繰り返し使う国策「核燃料サイクル」の関連施設。全国の原発で使用済み燃料を保管するプールの容量が逼迫(ひっぱく)する中、国内唯一の原発敷地外での保管場所となる。東電と原電の原発で出た使用済み燃料を、再処理するまで最長50年間保管する計画で、RFSは2021年度の操業開始を目指している。

 しかし保管後の搬出先は決まっておらず、更田豊志委員長は記者会見で「恐れるのは燃料を運び出す先がない状態で、燃料の容器の耐用年数に近づく事態だ」と保管長期化への懸念を示し、その時点でRFSと協議するなど対応を検討する必要があると指摘した。

 原電は、敦賀1号機(福井県敦賀市)が廃炉となり、2号機は原子炉建屋直下の破砕帯の審査が長引いて再稼働が見通せない状況ながら、燃料プールの使用率は1、2号機とも6割以上になっている。

 施設では、燃料を金属容器に入れて外気で冷却しながら保管する。RFSは、耐震設計の目安となる揺れ(基準地震動)を620ガルと想定。津波は青森県の予測の2倍に当たる23メートルを仮想的に設定し、安全対策を取ると説明している。

 施設を計画した当初は、日本原燃が建設中の使用済み燃料再処理工場(青森県六ケ所村)の処理能力を超える燃料が全国の原発から発生すると予想されていた。施設で保管した燃料は新設する別の再処理工場に運ぶ想定だったが、新設計画は具体化していない。

 中間貯蔵施設を巡っては、福井県内の電力事業者のうち関西電力が年内を念頭に、県外に中間貯蔵施設の計画地点を示すとしている。操業は30年ごろの予定だが、美浜、大飯、高浜3原発の7基が運転した場合、それまでに3原発とも使用済み燃料プールが満杯になる見通し。

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