丸山で営巣しているサギ類=8月9日、福井県福井市新保1丁目から撮影

 福井県福井市啓蒙地区にある丸山(標高50メートル)に「サギのような鳥が何十羽も群れている」との声が、福井新聞の調査報道「ふくい特報班」(通称・ふく特)に寄せられた。地元で話を聞くと20年ほど前から多数のサギ類が営巣、ふん害などに悩まされているという。付近の自治会はロケット花火による追い払いなど試みたが、効果が上がらず八方ふさがり。それでも専門家によると、県外で結果を出した“秘策”もあるという。⇒「ふくい特報班」特設ページはこちら

 丸山の周囲は住宅が密集している。住民によると山頂付近の北東側にサギ類の群れが営巣している。福井県自然保護センターの2016年の調査では76羽が確認されている。ふん害のほか鳴き声による騒音、サギ類の臭いによる被害が常態化。住民から長年、解消を求める声が上がっている。福井市自然史博物館によると、サギ類の一部は全国的に増加傾向で、同様の問題が起きているという。

 丸山のそばに25年近く住む女性(44)は「ふんが落ちるので洗濯物は車庫の中。鳴き声は昼夜問わない」と訴えた。ヒナの死骸が落ちていることがあるほか、家にサギ類が飛び込んできたケースもある。

 福井市有害鳥獣対策室によるとサギ類の駆除は法的には可能だが、狩猟は住宅地のためできず網は木が高く設置が困難という。また以前に市内のムクドリ駆除で鷹匠(たかじょう)による追い払いを行ったが、丸山の場合は営巣しているため逃げ去らないと考えられる。

 地元、西新保町内会から相談を受けた同対策室は、営巣する背の高い樹木の伐採を提案した。ただ丸山は地権者が細かく分かれ把握が難しい。また一部分だけ切ると丸山の他のエリアにサギ類が移りすみ、余計に営巣地域を広げる恐れもある。

 同町内会では現実的な手法として、市の助言を受け6年前から、巣作りを始める春にロケット花火を打ち上げてきた。しかし営巣する樹木の高層部分まで届かず、音に慣れる個体もいて成果は上がっていない。朝倉剛司会長は「住民のためになんとかしたい。地権者の組合をつくるなどできれば、樹木の整理が可能となり被害が減るかもしれないが…」と頭を抱える。

 福井市自然史博物館の出口翔大学芸員に聞くと、新潟県新潟市で成功した方法があるという。民家のない林にサギの模型・デコイを設置して誘導する策。サギ類が集団で営巣、繁殖する習性を利用したものだ。これにドローンを飛ばして追い払う手法を加えればさらに効果的という。出口学芸員は「高い樹木の伐採も有効と思う。専門家に相談してほしい」と話している。

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