児童が書いた「自己紹介」の数字

 人を引きつける自己紹介のこつは、伝える内容を三つに絞ること-。プレゼンテーションの基本を学ぶ講座「こどもプレゼン教室」が8月23日、オンラインで開かれた。社会が大きく変化する中、次代を担う子どもたちに必要とされる表現力、思考力、判断力。福井県内の小学3~6年生の児童ら116組が自分のアピールポイントをまとめ、数字を示しながら画面を通して相手に伝えた。

 一般社団法人プレゼンテーション協会と福井新聞社が協力して開いた。県内を中心に東京、大阪などのほか、シンガポールからのエントリー申請もあった。多くの児童が保護者やきょうだいと参加。県教委や福井大学附属義務教育学校(前期課程)の教育関係者も子どもたちの学びに役立てようと視聴した。

 講師は同協会代表理事で、書家でもある前田鎌利さん(鯖江市出身)。物事を伝える際に「たくさんのことを言われても相手は覚えられない」と説明し、内容を三つに絞ることや興味を持ってもらうためにポイントになる数字を示す方法を披露した。自身の例として「書道を42年間やってきた」と書かず、「42」だけにすると「見た人は『何の数字かな』と考える。しっかり話を聞いてもらえる」と話した。

 最初、好きなことや得意なスポーツなどを数多く表現していた参加者は、前田さんからアドバイスを受けると、頭を悩ませながら数字を使って端的に表現するように。用意した紙に「7」「4」などと大きく書き込み、「お絵かきファン歴」「きょうだいの数」「スイミング歴」などと言葉を絞って説明文を添えた。

 参加した6年生は受講後のアンケートで「だらだら文章で書くより数字で表すといい」と感想。4年生も「いろいろなところで使ってみたい」と期待を膨らませた。質問も活発に出て、ある女子は「言いたいことがあっても途中で口が止まってしまう」と相談。前田さんは、緊張しないための練習の重要性を強調した上で「相手によく思われたいと考えず、内容を自分の言葉で伝えることだけを意識して」とアドバイスした。

 ビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」を使った今回の教室。今後、学校では1人1台のタブレット整備が進み、オンライン上で意見をまとめたり、自分の思いを話したりする場面が増えそうだ。

 視聴した県教育総合研究所教科研究センターの浅井裕規センター長は「人に何かを伝える力は重要。新学習指導要領で思考、判断、表現力は今後の社会で必須の力とされ、学校教育でも伸ばしていかなければならない」と話した。

関連記事