自民党総裁選について「推薦人が集まれば出馬する」と語る稲田朋美幹事長代行=8月29日、東京都内

 安倍晋三首相の退陣表明に伴う自民党総裁選について、稲田朋美幹事長代行(衆院福井1区)は8月29日、福井新聞の取材に対し「ハードルは高いが、(出馬に必要な)20人の推薦人を集めたい。集まれば出馬する」と明言した。「女性活躍の象徴として、首相を目指す女性を体現したい」と意欲を語った。

 稲田氏は出馬を目指す理由について「日本の政治は女性があまりにも少なく、民主主義がゆがんでいる。女性のためではなく、日本をよりよくするために首相を目指したい」と強調。「新型コロナウイルスの感染拡大でしわ寄せが来ている貧困家庭など、自民が少し置き去りにしてきた分野にしっかりと目を向ける。多様性を認め、自由で公平な、経済的に豊かな社会をつくりたい」と主張した。

 7年8カ月にわたった第2次安倍政権が成し遂げられなかった政策を引き継ぐ決意も示した。「日本の周りには力で『現状変更』しようとする大国があるが、安倍首相は価値観を共有する国々と『法の支配』の重要性を発信してきた。引き継ぎたい」とし、党是である憲法改正についても「志を継いで取り組んでいく」と述べた。

 地方創生への意欲も語った。「新型コロナによって社会、経済の在り方が変わってきている。福井のような地方都市にとってもチャンスだ。東京の会社を福井に持ってきたりすることが可能になる」と指摘。交通インフラの整備が重要だとし「道路や新幹線など公共事業を充実させて、東京一極集中を是正したい」と話した。

 膠着(こうちゃく)状態が続く拉致問題に関しては「安倍首相が最も関心を寄せて、若いうちから取り組んできた。自ら交渉したいと言っていたが、できなかったのは残念だったと思う」と無念を推し量り、「引き継ぐべき事柄だ」と力を込めた。