今季開設していない水晶浜海水浴場=8月16日、福井県

夏真っ盛り!福井県内も酷暑が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょう?
夏休みに合わせて海に出かけられた方も多いのでは?皆さんが休みの時ほど忙しくなるのが海保の仕事。海に訪れる方が増え、事故や事件が多発するからです。今年はコロナ禍の夏となり、福井県内の約8割もの海水浴場が開設していない状況であるものの、パトロールをしてみると不開設の海水浴場にも多くの人の姿が…。

敦賀海上保安部では、事故を未然に防ぐため、監視・救助体制が不十分な不開設の海水浴場での遊泳を自粛するようお願いしています。

そんな中、県内で相次いで発生しているのは「誤報」。
最近発生した誤報事案の中でも、かなりの勢力を費やした事案を紹介します。

8月初旬、敦賀市立石漁港近くの海岸(海水浴場ではない海岸)に訪れた母娘のうち、娘(24歳)が行方不明であると母親から通報がありました。
海保、警察、消防が現場に急行し、母親から事情を聴くと、娘は黒色のラッシュガードやシュノーケルなどを身に着けて泳いでおり、母親は海岸で一人待っていましたが、近くに遊泳する娘の姿が見当たらないことに不安を感じ、娘の遊泳開始から約20分後に通報したということでした。
20分って短くない?成人でしょ?と一瞬頭をよぎりますが、先入観は禁物!海での行方不明事案は命にかかわる事が多くあり、早期発見が求められます。

海保・警察・消防からは、それぞれの持つ一大勢力を費やして捜索にあたります。
海保巡視艇、警察警備艇、消防ゴムボート、民間救助艇、ヘリコプター、潜水士、陸上捜索部隊…

すると、通報から約1時間後、近くの海岸に海から上がってきた黒色ラッシュガードやシュノーケルを身に着けた女性を見つけ、確認したところ行方不明の娘さんであることが判明…
娘さんは、唖然とした表情で「泳いでいただけですが??」と。
ケガや流されたなどという事は何もなく、つまりは、母親の早とちりであったことが判明しました。

この事案のほかにも、8月の中旬には、水晶浜海水浴場(今季不開設)において、海水浴に訪れていた家族ら7名のうち1名(33歳女性)が行方不明であると、同行者からの通報を受けました。
この事案では、今年7月30日に就役、8月11日に母港である敦賀港に初入港したばかりの「巡視船えちぜん」が出動。
巡視船えちぜんの初出動事案となりましたが、出動から約5分後に砂浜を歩いている行方不明女性を発見したとの知らせが入り、対応を終了したのでした。
当然事故などに関係するものではありませんでした。


海保や警察、消防も限られた勢力の中で、多くの事案に対応しています。
このような誤報事案は、事故が発生していないことに関しては喜ぶべきなのですが、誤報に勢力を費やしていては、本当に救助や捜索が必要な事案が発生したときに、発動の遅れなどから助かる命を救えなくなる可能性があるのです。


同行者などが見当たらず不安となる気持ちは当然わかりますし、迷わずに救助機関に通報していただくことが早期救助に繋がることとなりますので、ダメというわけではありません。
しかしながら、海水浴や釣りなどのマリンレジャーの際には、必ず同行者と自分の所在・動静について、「どこまで行く」「何時に戻る」など、連絡・共有し、できるだけ単独行動を控えるなど、「誤報」を防ぐ心掛けをお願いします!

今回紹介した誤報事案2件とも、開設した海水浴場以外の場所で発生しました。
 それにしても、「開設していない」などと書かれた大きな立看板や出入口のバリケードが設置されているにもかかわらず、子供を連れて遊泳している大人たちって、子供たちにどう説明しているのでしょうか?
 自分や家族、友人などの命の大切さについてもっと考えて行動してほしいものです・・・。
 (敦賀海上保安部・うみまる)
 

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