浸水・転覆したシーカヤック

お盆の最中である8月中旬、釣り中のパドルボートによる事故が相次いで発生しました。

8月の初旬から中旬のお盆までにかけてはマリンレジャーの最盛期となり、海の事件事故が多発する時期でもあります。

警戒を強めていた8月中旬の午前10時30分頃、警察から敦賀海上保安部に一報が入ります。

「警察艇が敦賀市沓漁港の沖で手漕ぎボートが転覆しているのを発見し、海中に転落した男性2名とボートを救助した」

敦賀海上保安部からも、事故の原因などの調査にあたるため、現場に急行したところ、男性2人にケガなどはなく一安心。

男性2人(ともに福井県外在住30代)に事故の経緯などについて聴いたところ、午前5時30分頃、近くの旅館で手漕ぎボートをレンタルし、沓漁港沖の海上で釣りをしていましたが、2人の乗船位置がボートの左側に寄っていたため、ボートは左側が沈み込んだ状態となっていたそうです。

すると、波の動揺で元々沈み込んでいたボートの左側が海面よりもさらに下に沈み込んだことにより、ボート内に海水が侵入。

午前9時40分頃、ボートはバランスを崩してしまい、排水作業する間もなく、瞬く間に転覆、2人は海中に投げ出されたということでした。
2人は幸い救命胴衣を着用していたため、浮かんだ状態で転覆したボートにしがみつき、携帯電話からボートをレンタルした旅館に救助を要請しました。
すると、その5分後、たまたま近くをパトロールしていた警察艇が転覆したボートと2人を発見し、迅速に救助することができ一件落着。

手漕ぎボートは安定しているように感じますが、乗船者の体勢や些細な波や風で、案外簡単に転覆します。
注意しなければならないのは、乗船者が常に安定した乗船体勢を保持すること(決して立ち上がったりしてはいけません)、風や波をボートの横側から受けないように位置をコントロールし、他の船の航走波(船が走ったことにより生じる波)に注意を払っておくことが重要です!

⇒【関連】サップボードが流された…車のカギを乗せたまま

と、安心して一息入ついていたところ、新たな通報が!

「敦賀市水島付近の海上でシーカヤックが転覆した。通報者(1人)はボートにしがみついて、もう1人は流されている」

急がなければ!!
敦賀海上保安部からは巡視船ほたかを発動、また、福井県水難救済会(海難救助の民間団体)や警察に連絡し、連携して救助にあたります。

そして、事故発生からわずか20分後、福井県水難救済会の所属船から「男性1名を救助、もう1名は自力で岸に泳ぎ着いている」との連絡を受けました。

救助された男性らは救命胴衣を着用していたためケガなどはなく無事でした。

事故に遭った男性2人(ともに県外在住40代)に事故の原因などについて聴くと、男性らは午前7時30分頃に砂浜から2人乗りカヤックを降ろして出港し、水島近くの海上で釣りをしていました。

午後1時30分頃、2人は帰路につくこととし、出港場所に向けてカヤックを漕ぎ始めたところ、だんだんカヤックが沈み始めたため、カヤックの後ろ側にあるドレンキャップ(水抜き穴の栓)を確認したところ、キャップがいつの間にか無くなっていることに気付きました。

2人は急いでカヤックを漕ぎますが、水抜き穴からの海水の浸入によって完全に浸水してしまい、バランスを失ったカヤックは最終的に転覆し、2人は海中に転落したということでした。

ドレンキャップは、カヤックに溜まった海水や雨水などを排水するための穴を塞ぐためのものですが、排水を行う頻度は多いため、閉め忘れやキャップのゆるみ、ゴミが挟まるなどして、カヤック内への浸水を引き起こすことがあります。

事故者の男性は、このカヤックを7年前に購入、年に2、3回の頻度で使用して釣りを行っており、さらには、過去にカヤックの安全講習を3回も受講しているベテランですが、些細な気の緩みや船体点検の怠慢から、このような危うい事故を引き起こしてしまうのです。

1日の間に発生したパドルボートに関する事故を紹介しましたが、このようなボートは、比較的手軽に海に繰り出すことができる乗り物ですが、その分安全への配慮は確実に行わなければなりません。

海上で、かなり沖の方まで進出しているカヤックなどを見かけることがありますが、事故を起こすのは一瞬です。よく考えて行動してください。

それにしても、お盆の間は海に出てはいけないという話がありますが、確かにお盆の時期は事故などが多発する傾向にあります。

ただの迷信かもしれませんが、1日に2回もボートが転覆して海中転落・・・。
信じるか信じないかはあなた次第です!!(敦賀海上保安部・うみまる)
 

関連記事