◆生かされた畑のしそ。しそも薬草!!

いつもは寺の山にはたくさんの梅がなって、その始末に困って沢山の梅が私のところに届くのですが、今年は珍しいことに梅が全くならなかったというのです。どこも今年は梅が不作のようで、保育園で梅干しづくりに使う梅もなかなか手に入らないので県外の梅を予約して、無農薬のとても良い梅がようやく届いたので漬けたというのです。そして塩漬けにした梅の水も上がってきたので、しそをそろそろ入れないとと言うのです。

私の畑のあちらこちらにかたまって生えているたくさんのしそは、梅のない今年はしそジュースにする以外にはとりたてて使うあてがないのです。自生えで生えて薬は何もやっていないので安心して使えるとおもうから、もししそが必要であれば届けてもいいことを伝えておきました。

しかし、たくさん生えているとはいっても保育園の大量の梅にしそが量的に足りるかどうかはわからないのです。ただ、しそは一般には根の少し上からまるごと刈って一度に使ってしまうものですが、私はいつも使える綺麗な葉だけを摘むか、刈って、わき芽が伸びてくればそのわき芽も何度か刈って使ってきていましたので、足りなければ、またわき芽が伸びてくればそのわき芽を刈って補えば充分に足りるだろうと話しておきました。

しそはとても生命力の強い植物です。毎年、特別に蒔かなくても、こぼれ落ちた種が時期になれば自然に芽を出し、何の手も加えなくても一人で大きくなっていっているのです。そしてしその葉は太陽の日差しをあびて見るからに満ちあふれた生命力でキラキラと輝いているのです。せっかく生えたこれらしそのその‘いのち’が生かされて保育園で子どもたちの梅干しとして使って食べてもらえることは、しそにとってもとても喜ばしいことではないかとおもえるのです。

しそを洗って葉を取って塩でもんであくだしをして梅に付け込むまでの作業もなかなか手間のかかることなのです。担当の職員の人にすべてを任せてしまうのも申し訳ないので、できることは出来るだけしておかなければと思っておりました。しかし、保育の一環として園児たちがその葉取りの体験に参加したり、手の空いた職員の人たちも自主的に作業に加わったりの共同作業であのたくさんのしそも楽しく予想外に早く漬け終えることができたのです。やはり、仕事は多勢でするものです

保育園では、しそは梅干しの色づけに使われるだけではなく、干して‘ゆかり’というふりかけにして給食で使うのだというのです。私の在職中からずっと管理栄養士として保育園の給食作りを担当してもらっている人がここまでもやっていることを知り、ただただ頭が下がる思いでした。

◆‘しそ’について

「あなたと健康社」から毎月出ている冊子『あなたと健康』の梅の時期の号になると、いつも梅やしそについてのその特性、成分、食べ方やその効能などについての詳しい説明が書かれるのです。『平成27年6月号」などの冊子には、しそについて次のような説明がありました。

――しそは中国が原産で昔から民間療法でも鎮静、発汗、咳止め、の薬として大切にされてきているという。
しそのさわやかな香りは、夏の暑さの中でも食欲を増し、力をつけます。
種類も緑の青じそと、赤紫の赤じそとがあり、緑色は薬味やしそ酒や料理に。赤紫色は梅干しに欠かせず、塩漬けなど日本の味覚にはなくてはならないものです。

この独特の香りの成分はしそ油で「ぺリラアルデヒド」で防腐力が強い。梅干しを漬けるときの紫紅色は葉に含まれる「シアニジン色素」で、梅のクエン酸によって分解され、あの美しい色になるというのです。

昔からしそは、血行をよくするといわれ、干して粉にしてふりかけ、塩漬けにして常用しました。梅干しのしそも、梅の力を倍増する助けをするので、梅干しは食べても、しそが残って困るという人も刻んでおにぎりに混ぜるとおいしい。風邪の時、梅干しとしそを共に熱い番茶をそそいでいただく。疲労回復、貧血、冷え性回復にもなります。しそジュースも夏の健康飲み物として利用してもいい。

栄養価も高くビタミンA。C、カルシウム、鉄、リンなどのミネラルも多く、しそを常食していると、しその防腐性によって腸内の腐敗防止で血液が浄化される。この整腸効果と合わせて貧血防止、皮膚の新陳代謝を正常化するので、吹き出もの、シミなどもとれ、つやのある肌になる。また頭皮に対しても抜け毛、フケ防止をするので素晴らしい美容食でもあり、ビタミンAを多量に含んでいるので胃腸の働きもよくなり、酵素を充分に送るので脳細胞も活発になり、頭の働きもよくなり健脳効果も得られるというのです。

魚介類等に加えれば青しそには強い防腐力があり、中毒全般の防止効果があるので、現代では防腐剤添加食品等の恐れもあるので、しその葉を生で食べるか、しぼり汁を盃一杯飲むなどその活用が望まれるという。

初秋の頃出回るしその実は、ごま同様にカルシウム、ビタミンの宝庫。塩漬けにして保存しておくと一年中利用でき、お弁当に、箸休めに、また漬物に混ぜたり、しその実の風味も食を楽しく、健康の助けをしてくれる
種が落ちこぼれても生えるので、自家栽培もできます。
いつも新鮮なしそを常食できたら健康的です。しそはこのように薬効も多いので大切に利用しましょう――と、書かれています。

この時期、純正の梅干しの効能なども調べて常備されて置かれることをお勧めいたします。

◆講演録から

見通しのつかないコロナ感染に加えて、いろいろな災害を伴う自然現象や異常ともなる暑さが近年では異常ではなく日常となりつつあるこうした毎日の暮らしの中で何か確かな手がかりを得たいと、いろいろな本を通して、あるいは過去のシュタイナーに関する講演録などを読んでいると、たくさんの心に留まる文章に出会うのです。

そうしたなかで、高橋 巌氏が『人智学的宇宙の本質』というテーマ―で話された講演録のなかでちょっと気にかかる文章が目に留まりました。

現代社会においては何かとコンピュータが重要視されている今日において、特に新型コロナの影響でそのことがさらに顕著になりつつある中で、人間の構成要素の一つであるアストラル体について説明されている文章でした。
コンピューターに対して無自覚で使っていると、いつかコンピュータに人間が支配されてしまうという危険性を以前に耳にしていたことから、特に目についた文章でした。

コンピューターのような精密な頭脳の機能をはたしている機械でも機械そのものは自分のやっていることを内的に体験していないという。その機械が正常に機能しているかどうかを知るのは人間がそれを調べ、自分の中でそれを内的に体験するときだけだという。ですから人間と機械とを区別する決定的な相違点は内的に体験できるかできないかであり、それを決定しているものをアストラル体と呼んでいるのだと説明されているのです。

シュタイナーは宇宙というものを大きく四つの次元に分けて考えているというのです。第一の宇宙はこの世の現実の世界、物質界。第二の宇宙は生命界=エーテル界。第三の宇宙はアストラル界で「魂の世界」ともよばれているのです。第四の世界は神の世界、神霊の世界、霊界、精神界、デヴァハン界等々と言われている「叡智の世界」です。そして私たちが身体に組み込まれている感覚器官で物質の世界を見ることができるように、それぞれの世界は、それに対応する感覚を持つことによって開かれる世界でもあるというのです。

しかし、物質の世界は基本的には死の世界であって、そこには、生み出す装置はどこにもなく、生命が生まれてくる余地はないというのです。文明世界を建設し、文化を生み出し、人間の意識を少しでも向上させようとするいとなみがなされればなされるほど、この地上で死の原理がますます力をふるうことになるのだというのです。この世に生きている人間同士が互いに助け合って生きているというだけでは、地球の滅亡を救うことにはならないというのです。だから人間が進化すればするほど地球そのものは死滅していき、人間が最終的に進化した時点は、地球が滅びる時点であって、それが物質界ということの意味だというのです。

この地上の世界を破滅に向かわせないで、人類の進化と共に、地球そのものも進化できるような方向に行くために、エーテル界に存在している死者たちとこの世の人間とが共同で働くなら、その時初めて地球は救われるとシュタイナーは1917年という世界大戦の最中の12月9日に『歴史の必然と自由』という講演の中で述べているというのです。エーテル界の死者は人間の感情・無意識に働きかけているのだが、人間はその感情・無意識を意識できないというのです。ただ一つの場合だけが例外的に意識でき、それは夢を体験するときだというのです。歴史は人類の夢に他ならないのだというのです。言い換えると歴史の本質は感情なのだというのです。夢の中に死者が現れているというのです。無意識の世界には死者が生きているというのです。死者と出会うことは、生きることに対する畏敬の念を死者から学ぶということでもあるというのです。

この後講演では、さらに「華厳経」についての話を進められていっているのですが、内容的に深くそのつながりをどうつなげていったらよいのかまだ充分に消化できないままなのです。これを機会に、折に触れてまた読み直してより深めることができたらと思っております。

「家庭画報八月号」の別冊付録に書かれている高橋 巌氏の新型コロナウイルスに対する思いを含んでの「インタビュー記事」の理解もさらに深めたいと併せ読んだ講演録に書かれている、このお盆の死者とのつながりを特に濃く感じられるこの時期に目に留まった文章でした。

≪講演録≫第十一回千千紀年末講演会「人智学的宇宙館の本質 」(『すばる』第十一号 昴・日本人智学協会関西支部  1994年9月1日発行)

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