遺骨が見つかった場所で読経する派遣団員ら。新型コロナの影響で遺骨収集はこれ以後、実施されていない=2019年12月、ソロモン諸島・ガダルカナル島(全国ソロモン会提供)

 太平洋戦争でソロモン諸島方面に従軍した旧日本軍の生存者や遺族らでつくる「全国ソロモン会」(事務局・東京)の遺骨収集活動が、新型コロナウイルスの影響でストップしている。同諸島や近隣のビスマーク諸島は激戦地として知られ、戦後75年を経過した現在でも両諸島方面で5万人以上の遺骨が未収容となっている。父がソロモン諸島で戦死した福井県あわら市(旧金津町)出身の住田陸快(すみた・たかよし)副会長(78)=千葉県千葉市在住=は「コロナが収まったら一刻も早く現地に派遣できるよう、若い会員を中心に準備している」と前を向く。

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 同会は1965年に前身の団体が発足し、会員は約230人。68年から戦没者の遺骨収集を行っており、ビスマーク諸島・ソロモン諸島方面の厚生労働省遺骨帰還事業に協力している。

 ソロモン諸島政府は国外での新型コロナ感染拡大を受け、2月から入国を制限し、3月からは自国民・居住者以外の入国を禁止。同諸島で感染者は確認されていないが、国家非常事態宣言を発令しており、11月までの延長が決まっている。

 同会の遺骨収集は昨年12月、慰霊巡拝は1月に実施されて以来途絶えている。12月の遺骨収集には遺族会などから14人が参加。ガダルカナル島で3人の全身遺骨を発見するなど、5人の遺骨を“帰国”させることができた。全身遺骨は当時、埋葬された可能性があり、団員の1人は「瞼(まぶた)を閉じると、やせ細った戦友が彼のために残った力を振り絞って土を掘る音が聞こえてくるようだった」と活動報告に記した。

 同会の活動は軒並み中止となったが、会員からの要望が相次いだことを受け7月に遺骨収集の研修会を開催。対面、オンラインを合わせ12人が参加した。遺骨収集の方法や歴史、現地でのマラリア対策など内容は多岐にわたった。崎津寛光・総務委員長は「戦没者を一人でも少しでも早く帰国させたいという気持ちが伝わってきた」とし、士気の高さを感じたという。

 住田副会長によると、遺骨は未発見のものも多く、見つけ出してもDNA鑑定のため現地に残してあるものもある。「早く帰してあげてほしい」という遺族の嘆きも聞くという。「若い会員を中心に体力づくりや知識の蓄積に取り組んでおり、(活動再開の)その日に備えている」とコロナ収束後を見据えている。

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