新型コロナウイルス感染の「後遺症」の主な症例

 新型コロナウイルスに感染し、退院後も呼吸器疾患を含む「後遺症」が続くとの報告が世界中で相次いでいる。倦怠感や息苦しさのほか関節痛が数週間残る人もおり、感染者の約1割は症状が長引いているとの調査もある。陰性に転じた後、長期間職場に復帰できない人も多く、日本の厚生労働省も今月から研究を本格化させる。

 「かなりの感染者が数週間にわたり生活に支障が出る感染後症候群になっているのは疑いようがない」。ファウチ米国立アレルギー感染症研究所長は7月上旬の記者会見で症状の長期化、深刻化が見られると指摘した。

 訴えが多いのは倦怠感、息苦しさ、関節痛、胸の痛みのほか、せきや嗅覚障害。集中力や記憶力の低下なども報告されているが、頻度や持続期間など不明点はまだ多い。

 英ロンドン大キングスカレッジなどが通信アプリを活用して約400万人を対象に調査した結果、感染者の多くは発症から2週間以内で回復したが、約10人に1人の割合で症状が3週間以上続いていた。軽症者ほどさまざまな症状が長く続く傾向が見られたという。

 自らも感染したハンコック英保健相は7月、入院した感染者1万人の長期的な健康への影響に関する大規模な調査を実施すると発表。同国やイタリアは後遺症に苦しむ患者のリハビリ施設を開設し態勢を拡充している。

 日本の医療関係者によると、日本国内でも睡眠障害や軽度の頭痛、発熱が続いたとの報告があり、腎不全が残る重篤なケースもあったという。厚労省も回復者2千人を対象に、実態を調べ、解決策を探る研究を来年3月まで続ける。

 後遺症が出る割合はさらに高い可能性もある。米医師会雑誌(JAMA)電子版に掲載されたイタリアの論文によると、退院者向け外来を設置した1施設を訪れた19~84歳の計143人の87%が発症から平均2カ月後の時点で何らかの不調を抱えていた。

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